金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

「彼らが言っていることではなく、言わないことを聴きなさい」:2018~2020年の今日(4月6日)に出会った言葉

(1)2020年4月6日 
インフォデミックとは、ネットで噂やデマも含めて大量の情報が氾濫し、現実社会に影響を及ぼす現象のことです。
(「今日のことば」 2020年4月6日付日本経済新聞
本日の日経新聞1面トップは「情報パンデミック(1) 善意の投稿、人類翻弄 コロナの情報拡散力、SARSの68倍」。日本でトイレットペーパー不足の原因とされたツイートは、実際には1回しかリツイートされておらず、その後に始まった「大半が国産だよ」「落ち着いて」という善意の"デマ退治"投稿の拡散が品不足を連想させて買い占めを煽っていた、という衝撃的な分析結果だった。
これは対処が非常に難しいと思うが、結論としては、ある事実の「あるなし」については主要メディアが報じない限り、真実だと思ってもリツイートをしないということが重要かなと思う。

(2)2019年4月6日 
ここで心しておくべきは、記憶というものが、夜の闇や雪の覆いと同じく、<事実>を装い、さらに覆い隠し、贋造することを免れないこと。記憶はいわば編集のようなもので、つい自分に都合よく創られる。そこれでは世界も<私>の存在も、往々にして劇的に脚色される。
(「折々のことば」2019年4月5日付朝日新聞

折々のことば:1424 鷲田清一:朝日新聞デジタル

(3)2018年4月6日 
彼らが言っていることではなく、言わないことを聴きなさい ジョアン(緩和ケアナース)
・・・苦しみは何より忘れたいもの、消したいもの、語るのがつらいもの。だから、苦しむ人のそのひきごもりごと聴かねばならない。
(「折々の言葉」より4月1日付朝日新聞