金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

花は咲くときにはがんばらない : 8月5日に出会った言葉

 (1) 2020年8月5日
「花は咲くときにはがんばらない。ゆるめるだけ」(中3)
天声人語 2016年1月27日日付朝日新聞
*我が家の冷蔵庫から。中高生向けに募集した「折々のことば」の入選作だそうです。ホッとする。

http://saas01.netcommons.net/nisshin/htdocs/?action=common_download_main&upload_id=86310

(2) 2019年8月5日
封筒にメールアドレスを書けば相手に届く――。そう思っている中学生が少なからずいるらしい。
(「春秋」 2019年8月5日付日本経済新聞

春秋: 日本経済新聞
*文化の変容がもたらした寂しいお話。嘆かわしい、あるいは教育の荒廃?みたいに考えるのは違っているような気がする。では次はどうだろう?

「『学』から始まる単語を見ると、『学級』でも『学年』でも『学業』でも全部、『がっこう』と読む生徒がいる」という話も聞きました。読み障害のあるお子さんなのかもしれません。「どうして、いつも『がっこう』と読むの?」と訊ねたところ、「そのほうがよく当たるから」と答えたそうです。
(『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』p203 新井紀子著、東洋経済新報社

(3) 2018年8月5日
ひとは競って早く知ろうとするが、「どうも腑に落ちない」という感覚のほうがはるかに重要だと、社会学者(大澤真幸)は言う。思考を駆動するのはこの「掴みきれない感」であり、過去の思想も、その言い切れていなかった部分から大きな刺激を受けると。
(「折々のことば」2018年8月5日日付朝日新聞より)

折々のことば:1189 鷲田清一:朝日新聞デジタル

(4) 2017年8月5日
子どものまま力をつけた国々の手で時計の針が逆回転させられていくさまは悲しい
( 2017年7月30日付日本経済新聞「春秋」)
*前後がわからないと意味が取りにくいかもしれないので、当日の春秋の最終段落をそのまま転載しておく。
「20世紀の国際社会は、力こそ正義との発想や秘密主義など「あまりにも子供じみた考えにささえられていた」と作家の小松左京は語った。愚行の連鎖を断ち切り、理性と対話で物事が決まる大人の時代へと脱皮していくはずだった21世紀。子供のまま力をつけた国々の手で時計の針が逆回転させられていくさまは、悲しい。」

www.nikkei.com

 

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