金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

二つの気づき:小竹貴子×阿部裕志「みんなで語ろう、私の組織論」に参加して

7日に英治出版で行われた小竹貴子さんと阿部裕志の対談「みんなで語ろう、私の組織論」ーー英治出版オンライン連載「『ティール組織』私はこう読んだ。」に参加した。

素晴らしいセミナーでした。

とても暖かい雰囲気の中で、普段経営にあたって楽しみや苦しみを経験しているお二人が、まったく飾ることなく今の楽しみと苦しみ、それらを『ティール組織』の内容で整理しながら前に進もうとしている姿勢を示してくださいました。

11日のセミナー(『ティール組織』探究シリーズ「自主経営(セルフ・マネジメント)って何だ?」)にも(仕事さえ詰まらなければ)参加する予定ですが、お二人のセミナーで得た二つの「気づき」を持って出かけたいと思っています。

まず、セミナーでは社員を「育てる」「育成する」という言葉がキーフレーズの一つだったように思います。おそらくこれは『ティール組織』では明示的に語られていないのですが(CEOの交代にあたって、学習期間を設けたという事例は紹介されています・・・ただ、私の勘違いはあるかも)、書いてあってもなくても、実際に経営をしていると、とりわけ今の日本企業においては、どうしてもこの問題を避けて通れないのだろう、と思いました。組織としての全体性(ホールネス)を実現していく上で育成とはどういう位置づけになっていく(る)のか。

もう一つは、ティール組織を目指す際に当然予想される社員間の「コンフリクト(紛争)」をどう解消/解決していく(いる)のか(こちらは本書で事例が紹介されています)。小竹さんのお話のなかでぐっと来たことの一つは、復帰後しばらくして肩ひじ張りすぎて社員が離れていく時期があって、どうしても耐えられなくなって「大泣きしてしまった」と。つまり自分をさらけ出してしまったわけ。その時部下の方から「もっと早く泣いていただければよかったのに」と言われ、その後うまく回っていくようになったそうです。

僕は職業の中では組織から完全に離れてしまって16年になるので、実体験に基づく組織論を語る資格はありません。したがって私の感想なり意見は頭の中のものにすぎませんが、11日のセミナーには上のような問題意識で臨みたい。

最後に僕が属している唯一の「組織」は自分の家族です。その意味ではあるべき家族は何かについて、存在目的、全体性(ホールネス)、自主経営の観点から考える意義は大きいのではないかと思った次第。

 

「一家に一冊『ティール組織』」なんちゃって。

 

(余談)
*50人ほどの観客の中に津田大介さんがいらしたのにはビックリした。講師の阿部裕志さんのお知り合いのようでした。セミナーの中で紹介することもなかったので気づかなかった人もいるかも(いや、あの風貌は気がつくかー。「朝まで生テレビ」で見るよりもずっと大きく見えました、物理的に)。でも全員が敬遠するでもなく、まとわりつくでもなく、節度をもって接していたと思う。それがまた自然な、暖かい雰囲気を醸し出していました。

 

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