「お~い、どうだった?」
「最後まで行かなかったよ~」
「ヘッヘッヘ。こっちは10分余ったぞ。関正夫先生の作戦だな」
「え、どういう作戦?」
「セクション7をDPとTPからやって、最後にSPにしたんだ。セクション5と6が終わって16分。あと59分のところでセクション7。DPとTPが終わったところであと28分ぐらいだったかな。でSPに取りかかったら簡単に見えちゃってさー、終わったらあと10分ぐらい余っていたから余裕で見直ししちゃったよ」「すごいね~お父さん」
「問題用紙に怪しいところを丸つけておいて、そこを見直していったら間違いが見つかったし、何しろ一問ごとにマークするんじゃなくて、パセッジごとに答えを問題用紙に書いて、その後写す作戦にしたから時間も短縮できたんだ」
「え、お父さん、問題用紙に書き込みしたの?」
「お前、何言ってんだ。常識だろそんなこと・・・(ふ、不安)」
「駄目だよ。TOEICは問題用紙に書き込みしちゃいけないんだよ。しおりにも書いてあるし、試験監督の人も言わなかった?」
「監督の人は『しおりをよくお読みください』としか言わなかったぞ・・・え、そ、そんな~。誰でも重要な箇所に下線を書いたり、丸つけたりするだろ。それが常識だろ。何も書いちゃいけないなんて、ええ~・・・・?」
と言っているうちに次男がしおりを取り出す。「ほら、ここに書いてあるじゃん」
(以下引用)
下記の「注意事項」に違反された場合は、次の対応をおこなうことがあります。試験官による注意/警告。退室いただく。手荷物の確認。採点をしない。受験資格のはく奪。スコアの無効化。
注意事項
撮影、録画、・・・問題用紙/解答用紙の持ち出し・・・カンニング行為・・解答用紙の所定欄以外への書き込み(問題用紙へのマークを含む)・・・・(引用終わり)
「ほ、ほんとだー」
「お父さん、注意されなかった?」
「ぜーんぜん」
「警告どころか、試験官は何度も僕の横を通ったけどなーんにも言われなかったよ」
なんて話をしながら次男はインターネットで調べる。
「ほら、問題用紙に書き込みは禁止って書いてある。」
ほーんとだ。
「じゃあ、失格かなあ。しよーがねーやな。知らなかったんだから」
「でもね、お父さん、警告も何もなくて解答用紙回収されたら『受け入れられた』ってことみたいだね」
翻訳ストレッチの時間を20分ぐらい追加して勉強してきた。点数を上げるということではなくてこの試験勉強は英語力を上げるとも思った。まあ、別に僕は何かに提出するために受けたわけじゃないんだけど、何となくズルした感じが残る。それに、もし何もメモができなければ時間が余ることはなかったような気もする。
というわけで仕切り直しますわ。