金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

「目利き」との残念会(『ティール組織』がJ社の企画会議で落ちた頃)

2ヶ月ほど前にリーディングの無茶振りをされて40時間かけて出した話を書いたのだが、それを僕に振ってきたのがOさん。Oさんやる気満々で「企画通します!」と言っていたのが・・・何と社内の企画会議で否決されてしまったのだ。「す、スミマセン」と絞り出しそうな声でお電話いただいた時はこっちも泣きそうになったが(何しろ報酬が2万円ですから)、じゃ残念会やろうぜとなったのが昨日。

「こんな素晴らしい本を形にできなくてスミマセン・・・」
「いや~くやしいっすねぇ」から始まって段々酔っ払ってくると「だいたい、こういうのの価値がわからないなんてウチの上は本当に頭固いんすから~」「そうだそうだ~!」と彼の上司の悪口大会へ(僕は全然知らない人ですけど)、挙げ句の果てに「こうなったら他社に持っていてもらって結構です」という話に。

社名は伏せ、ただし「編集者は大乗り気で絶対行けると踏んでいたが企画が通らなかった」ということを明確にした上で1社ずつ私が当たることになった。「まずは○○社で行きましょう。その理由は・・・。そこがもしダメだったら△△社・・・ここは過去の出版傾向からそうとう有望」といろいろ作戦を授けてくれる。「それと、鈴木さんのレポートのこの点はもうちょっと短くした方が・・・」とアドバイスも。なるほど編集者というのはこういう物の考え方をするんだ~と感心しながら勉強させてもらった。しかも勘定の段になったら向こうがご馳走してくれちゃったのだ。こっちが誘ったのに(店は彼が選んだ)。「今回はお詫びの会なんで・・・」かえって恐縮した。わかっていたらお土産用意しておいたのにと思いつつ10時半頃に解散。6時半から二人でポルトガル料理を食べ続けて帰宅は午前様。お陰様で今朝の体重は78.2キロ(前日比1.2キロ増)。誠に不健康な、でも実に文化的な一日でした。

本当の目利き ー 『ティール組織』(原著)を発見した人 - 金融翻訳者の日記