金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

翻訳期間(予定)を引き延ばしてもらう(『ティール組織』リーディング依頼③) 

企画が通ったら私が翻訳を担当する前提でのリーディングの仕事を受ける。仕事を受けるに当たって編集者の方にまず電話。「仮に私が翻訳することになったら何カ月ぐらいを想定されているでしょうか・・・?」「そうですね、3ヵ月ぐらい」。やっぱり

「それは多分書籍だけを朝から晩まで翻訳できることが前提だと思うんですが・・・それはムリです」

ブレイクアウトネーションズ』は540時間(これは先日のセミナーの折にエクセルで営業記録をお見せしました)、『マーケットのブラックスワン』450時間・・・と過去の例を示しながら、書籍の中身、内容にもよるが本業を持ちながらの場合、少なくとも半年はかかる旨を説明する。「はい、半年かかるということですね。書籍が労力のかかる作業であることはよく承知しています。リーディングが終わり、企画が通った段階で改めて相談しましょう」ということでリーディングをお引き受けすることになった。
で、書籍のPDFとプリントアウトを送ってもらったのだが、実はその本Kindleでも買えることが判明する。

Kindleは『ブレイクアウトネーションズ』がKindle版になったときに買って以来机の上に置きっぱなしだった。使おうと思ったら動かない・・・もう壊れたか?と思ったらソフトのアップデートをしていた。使わないとこうなるのね。

(後記)すでに書きましたように、この会社の企画は通らなかったので、翻訳期間の話も没になりました(涙)。ただ、その後英治出版さんに持ち込んで折には最初から「時間はかかります。少なくとも8カ月」で了承してもらいました。・・・でも結局、私の訳稿を全部お渡しするまで、半年どころか1年半ほどかかりましたが(出版まで2年半)。それにしても、こんな書き込みを当時していたことは完全に忘れていました。フェイスブックの「思い出」機能は凄い、と改めて感動。出版翻訳を志す実務翻訳者の皆様に少しでも参考になれば幸いです(2021年4月18日記)。

スケベ心に負ける(『ティール組織』リーディング依頼を受けた時) ① - 金融翻訳者の日記

「気合い入る」(『ティール組織』リーディング依頼)② - 金融翻訳者の日記

リーディングで悩む(『ティール組織』リーディング依頼④) - 金融翻訳者の日記