金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

『ティール組織』リーディング依頼⑥

(前書き的な後記:以下の文章の「P社」とは最初に『ティール組織』のリーディングを依頼してきたJ社、「L社」とは英治出版さんのことです:2021年8月21日記)

午後にP出版社のKさんから電話。「鈴木さん、あの本にビッドが入ったとエージェンシーから連絡が入りました。たぶんL社だと思うんですけど、どうだろう?」「ありがとうございます。L社に確認してもいいですか?」「どうぞどうぞ、僕も心配なので」
数カ月前にKさんから依頼されたリーディング案件。「絶対通る」と言っていたのが企画会議でボツに。残念会をやった時に「だったら僕(鈴木)が他社に持ち込んでもいい?」「どうぞどうぞ。この本僕も是非世の中に出したいんで」

絶対にP社やKさんの名前を出さないことを条件に持ち込むことを決意。「Kさん、どこがいいだろう?」「ん~、この系列ならL社じゃないかなあ」じゃあってことになってホームページを頼りにL社にメールを送る。何しろ誰も知り合いがいないのだ。

数日後に原稿を送ってくれとの返信メール。リーディング原稿の送付。2週間後に先方から連絡。「関心があります」でその日に先方に訪問。元々検討していた本だったので先方かなり乗り気であることが判明。もちろん他社の企画会議でボツになったこと。社名と担当者は伏せてほしいと言われているので言えないことは最初(応募段階)から開示してある。「はい、わかりました」と担当のTさんは理解を示してくれた。Kさんはとても穏やかな人でこの人となら馬が合いそう、というか、僕を受け入れてくれると思った。「企画会議はほぼ通った」との連絡があったのがお盆前だった。

L社に電話。Kさんから電話があったことを話して(もちろん名前は出しません)「~というビッドがあったらしいんですが」と話すと「あ、それウチです。正式に版権が取れてからご連絡するつもりでした」「そうだったんですか~。よろしくお願いします」他社からもビッドが立っているのでわからないのだが、一応(?)順調に進んでいるらしいことはわかった(この辺の出版事情は私にはよくわからない)。すぐにKさんに電話(会社にかけると会話が聞こえるので携帯にかける)「あ~よかった。僕も嬉しいです」とKさん。

もちろんこの件が今後どうなるかはわからないけれども、人と人との善意が繋がって仕事をさせてもらっているような気がしてとても嬉しかった。
今日も1日仕事の後、夜は尊敬する翻訳者の方と飲み会。
・・・というわけで、本日も皆さんにとって素晴らしい1日となりますように!!
(後記)
持ち込みをしようと考えている方もいらっしゃると思うのでちょっと補足しておきます。
(1)最初のコンタクトはホームページの「お問い合わせ」コーナーから。こちらの連絡先を記した上で、「実は他社でボツになった企画があるのだが、是非出したいと思い、元の編集者の了解を得て応募します」と書いた。
(2)「編集者はけっこうバタバタしているので電話をしても上の空だとおもいますよ」とのKさんのアドバイスもあり電話はしなかった。
(3)お問い合わせコーナーへの応募では要件のみ。原稿を送ったのは返信メールが来てから(応募してから返信メールが来るまで10日ぐらい間が空いたと思います)。
(4)打ち合わせの時、「なぜ我が社へ?」と尋ねられた。「元の編集者の方から、貴社に合いそうと推薦を受けました」と正直に答えました(その時になってL社のことをほとんど調べていないことに気づき冷や汗をかいたが、幸いなことに、この点は問題にならなかった模様)。
以上ご参考まで。
(さらに後記)
立った今(13時)L社から「版権取れた」との連絡。頑張ります!

リーディングを納品する(『ティール組織』リーディング依頼⑤) - 金融翻訳者の日記