金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

リーディングで悩む(『ティール組織』リーディング依頼④)(2015年4月)

リーディングを頼まれている本を読み終えて悩んでいる(会議が1回ずれたせいで締め切りが伸びて余裕ができた)。

筆者の信念も志も素晴らしく、経営者の目指すべき正しい方向を目指していると思うのだが、やや観念的に過ぎるのではないか?果たしてこれを訳して日本で売れるのか?という疑問である。300ページを超える本を仕事の合間にザザッと読んだので僕が読み間違っているかもしれないと思い担当編集者と話すと、僕の本の理解は外れてはいなかった。
Readingでこういう経験は初めてだ。
今までは「こんな面白くて素晴らしい本なら是非訳したい!!!」か、(表現は違いますが)「こんなクソ本を出版したら御社の社名に傷がつきますぞ!」か「難しすぎるのでだれも読まないと思います」と言い切れる判断の易しい本ばかりだった。
まあ、「・・・売れるのか?」なんて偉そうなこと書いたけれども、私が「これはいい!大ヒット!!!」と思って訳した本がそんなに売れているわけではないので僕の見立てなんて当てにならないんだけどね。本書が良書であることは間違いない。英米でも相当売れているらしい。内容も大変に価値のある書籍だとは思う。また実務翻訳者のもう1本の柱としてできれば書籍を訳し続けたい(企画が通れば僕が訳すことは決まっている)。ちょうど訳した書籍のゲラ待ちで次の書籍で決まったものがあるわけではないし(書く方の本はようやく動き始めましたが)。

Reinventing Organization(『ティール組織』の原著)を1回読んだ後の感想メール - 金融翻訳者の日記

リーディングを納品する(『ティール組織』リーディング依頼⑤) - 金融翻訳者の日記