金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

本を「書く」苦しみ(2013年8月)

実務翻訳の締め切りは今週ないので遅れている訳本を進め、訳本についてまとめる。前者はとりあえず原文があるのでそれを訳していけばよいのだが(これはこれで大変なのですけれども)、後者はある程度の方針はあるもののゼロから考えなければならない、いわば「産みの苦しみ」のようなところがあってこれはこれで大変です。

打ち合わせを始めてそろそろ1年。この1年の間にも色々方針が変わってきている。それはもちろん我々の能力のなさからくる制約条件でいくつかをあきらめているという部分があるのだけれど、我々のように書籍を「書く」のが初めての人間の場合、やっぱりある程度時間をかけないとアイデアが煮詰まらない部分もあって、その意味ではよい方向に進んできているのではないかと(希望的)観測をしたりもする。

本日午後にその打ち合わせがあるので準備をします。

(後記)『金融英語の基礎と応用』(講談社)の仕事をお引き受けして1年後の書き込みです。出版は2015年の11月。この後まだ2年近く産みの苦しみを味わいました。アイデアがまとまった(いわゆる「降りてきた」瞬間が僕にもあったのです)のが2015年の7月です。それまではデータ(英文と日本語訳)は貯めていたので、コンセプトと目次のイメージが決まってから本になるまでは半年で駆け抜けました(必死でしたけれども)。

そうそう、上の文章で「我々」となっているのは、実は当初は「共著」の予定だったのです。それが結局私の単著となったのは、共著者との喧嘩別れでして・・・しかも2回(共著者候補が1度変わって、二人目の方とも大げんか)(恥)。今となっては懐かしい「苦しみ」です(2022年8月16日記)