金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

『知られざる英語の「素顔」』の面白さ―受験生向きとは思わないけれど

If節って、主節の条件になっていることがほとんど。たとえば次の例。

(例1)If you have enough experience, he will hire you.(あなたに十分な経験があれば、あなたを雇いましょう)
(山崎竜成著『しられざる英語の「素顔」』(プレイス)p23「副詞節の思わぬ使い方-何を修飾しているのか」)

というか学校文法ではほぼそれしか学ばないんだけれど、「主節を言う(というかその主節をわざわざ加える)ことの条件」「発言の動機」になっている場合がある。次の英文を紙とペンで訳してみて。

(例2)X: Oh, I see.  Is that good work?
Y: Well, it pays very well, if that's wha you mean.
(訳)X:おーなるほど。それはいい仕事なの?
Y:ええとね、お金はいいよ。もしそれがあなたの意味していることなら」
(前掲書p23「副詞節の思わぬ使い方-何を修飾しているのか」)

(例3)You're not dead, if that's what you'e wondering.
「まだ生きているわよ。そんな顔しているから言っておくけど」
(前掲書p25「副詞節の思わぬ使い方-何を修飾しているのか」)

(例2)とか(例3)は、文法書で説明されることはあまりないと思う。英語を一通り学んだ人が、英語を読み込んだり外国人とはなしていく中で「あれ?」っと思い学んでいく「例外事項」ではないかな。

山崎竜成著『しられざる英語の「素顔」』(プレイス)にははそういう事例が満載で、読めば読むほど味が出る(僕は今2回目です)。ただ、英文法を学習中の高校生にはお勧めしにくいかなあ。混乱すると思うから。英語の先生向け、もっと言っちゃえば英語好き、いや僕のような「英語オタク向け」の本かも。

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