金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

出版社はどこまで本気で出版翻訳者を育てる気があるのか?

2018年3月10日付け日本経済新聞読書欄「活字の海で」27面は「非英語圏の翻訳者どう確保 コンクールで新人発掘も」は、視点は面白かったが新味がなかった。

タイトルから想像される内容だが、最後の段落だけ引用する。

 

(以下引用)

こうした中、新たな動きも出てきた。「新しい韓国の文学シリーズ」を刊行するクオンが、新人翻訳家の発掘を目的とした翻訳コンクールを初めて実施したのだ。受賞作はシリーズ19作目として出版され、翻訳家デビューが約束されている。応募者は200人超。同社の金承福代表は「想定を大きく上回る盛況に驚いている。応募者の中から才能を見いだし、第一線の翻訳者に育てたい」と意気込む。(引用終わり)

 

「見いだす」(発掘する)まではよくわかる。引っかかったのは、「第一線の翻訳者に育てたい」という一言。この出版不況の中、英語圏の書籍でも厳しいのに、どうやって育てるの?週刊少年ジャンプみたいに一定生活を保証できるの?「第一線の翻訳者」ってどういう意味?そうなったら彼ら彼女らの生活はどうなるの?と思ってしまう。