以下は、つい2時間ほど前の、今晩の夕食時の会話である。
「ほい、これが見本。おじいちゃんの仏壇にお供えしよう」
「わ~、スゴいわねーお父さん、表紙がきれいじゃない!」「だろ?」
「しかもとても厚いのね・・・」
「ま、まあな。なんたってお前、2年半だぞ、2年半」
「頑張ったね、お父さん。で・・・『ティール組織』どういう本なの?」
「組織論だよ。あのさ、『世界でいちばん大切にしたい会社』ってあったろ、あの発展版でさ・・・(ああでもない、こうでもない)・・・」
「何か、難しそうねえ・・・ねえねえ、それって文教堂西葛西店に置いてありそうな本?」
「う、それはいい質問かも・・・」
「やっぱり丸善オアゾ店クラス?」
「う~ん、そうだなあ。ビジネスマン向けだからなあ」
「でもお父さんの『世界でいちばん・・・』も『Q思考』も、その前の本も(覚えてない)文教堂に置いてあったじゃん」
「あれは『置いてあった』んじゃなくて、俺が西葛西店に出向いて、店長さんに『地元ですから~ひとつよろしくお願いします・・・』って頼んで『置いてもらってた』の!」
「あらそうだったの?アタシご近所に自慢しちゃったわよ・・・」
「ま、いいけどね・・・」
・・・てな感じで、この程度のかなり「浅~い」話をして盛り上がっていたら(毎回そうなんだけどね)、本を黙ってジーッと眺めていた次男が口を開く。
「何しろ難しそうな本だね・・・英語も難しかったんだろうね」
「お、ま、まあな、苦労したけどなあ」
「さすがだねえ・・・」
と、ここまではまあよかったんだがね。
突然吹き出しやがったのよ。
「え、何かオカシイか?」
と聞いたら、大学の数学科で、空気を読むということとトンと無縁な環境で暮らしている奴ぁニヤニヤしながらこう言い放ったね。
「でもお父さん、この前のTOEIC、900点割ったんだよね」
う・・・・・・・・ちくしょー。癒えない傷の上に塩を塗りたくるような真似しやがって~!と思ったが反論できなかった。
ふて寝してやら~。
でもいい日でした。感謝して寝よう。
おやすみなさい。
(後記)『ティール組織』出版直前の、見本本が届いた頃の我が家の会話です。僕はこの本を素晴らしい内容のものだと確信してはいましたが、一般の読者に受けるとは思っていませんでした。そこで以前の書籍とは異なり、地元の本屋さんに「売り込み」に行くことはやめた(あきらめた)のです。結局この僕の読みは大外れとなり同書は大ヒット。いつのまにか地元の書店にも平積みになっていました。懐かしい会話です(2022年1月16日記)