金融翻訳者の日記

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

皮算用の季節(2016年6月)

昨日「Q思考」の発行元D社から封筒。な、なんと印税通知。

著作者はどなたでもそうだと思いますが(少なくとも私は)、本を訳したり書いたりしているときは、完全に採算度外視。締め切りギリギリまで、あるいは締め切りを延ばしてもらってでもトコトン納得いくまで粘ります。

本が出た後ですよ、スケベ心がムクムク、ムラムラ、モウモウと沸いてくるのは。『Q思考』にかかった時間は記録では560時間ぐらいなので、初版の段階で時給1100円。3日たったら増版が決まって時給が1900円台にトンと跳ね上がった。

私レベルだと、これだけでもう、何かウハウハですがね、皆様。

本ができあがるまでにさんざん苦労しているんだけど(夢の中でうなされて起きちゃうとか、できるんだろうか?と不安眠れない、ということがどの本でも1、2回はあります)、終わっちゃうと、喉元過ぎれば熱さを忘れちゃうのかなあ。普段は実務翻訳で飯食っている(本に頼っていない)という意識も働いて、何となく「何もしていないのに」時給がチャリンと上がっちゃったような気分になります。

あ~売れてほしいなあ。翻訳協力者で事実上全部の翻訳を見た書籍出版が2004年。以来共訳、単独訳(含む著書)14冊。出版社から提案された書籍の内容がよかったので「よい仕事」をさせてもらったという自信はあるし、日経にも朝日にも書評を載せていただいた本もいくつかあるけれども、いずれも初版止まり。

本をつくる努力が翻訳力の「身」にはなっていると思うけど、お金という「身」にはなったことがないもんでねえ。毎回、「今度こそ来るぞ~」と私の鼻息だけはあらくなるんだけど、全部皮算用でさ。何しろ10年前に出た『成長への賭け』が日経の書評トップに出たときには、元証券マンの諸先輩方から「家建ったか、スズキ?」と問われて「いやいや実は、まだ初版が・・・」と説明するのが面倒だったもんです。

『Q思考』もこれまでと同様、毎朝亡き父の写真に飾り、鈴を鳴らして「売れますように、売れますように」と祈る日々でございますよ。笑ってやってくださいまし。

ただ今回の編集者Mさんは、いわゆるベストセラーを何冊も手がけたことのある営業マインドの強い方で、その方のご提案に従って本書に関係する記事も書くことになっています。頑張ろう。