金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

「得した気分」(印税の不労所得感)(2014年11月)

・・・帰宅するとプレジデント社から封筒が。先月出た『Thinkers 50 ストラテジー』の初版分の印税支払いの案内だった。

「得した気分」というのが肌感覚だ。本の印税はいつもそうです。

なぜ「得した気分」「不労所得」に感じるのかと言えば、これで食っているわけではないからだ。半年で300時間ぐらいかけているので、時給にしたらたいしたことはない(1800円ぐらいか?それでもほぼ1年、600時間近くかけた『世界でいちばん大切にしたい会社』よりは高いと思うけどね)が、あくまで本業の合間の隙間時間を使って訳してきたので「働いて勝ち取った」「稼いだ」という意識がどうにも稀薄になる。

悪く言えば真剣さがないということかもしれない。ただその一方で、書籍の場合は「損得抜きに」、時間給を考えずとことん詰めるので良いものが出来ていると言えないこともない。別に実務翻訳で手を抜いているわけではないのだが、書籍の場合は結局最初から最後まで最低でも7~8回は読む(最後は日本語だけになる)、そして8回目、あるいは9回目でも手を入れるわけ。実務翻訳ではここまではしない(ソースクライアントの場合で4回読み直します)。書籍に生活をかけるわけにはいかず、かといって本が売れない理由はそこまで力を入れていないせいではないか、とも思うわけで・・・ここは正直悩みどころです。