金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

殻を破る:自営業者になるということ(2016年4月7日)

お昼頃に某出版社の編集担当者からメール。この方とはあるパーティーで名刺を交換し、その後書籍のオファーを一度受けたことがあるが、こちらの都合でお断りしたことがある。

「お、書籍のオファーかな?」

と普通思いますよね。

メールの内容は・・・

(引用)
付き合いのある外資の投資会社が、「英語で作成された金融ビジネス文章を日本語にする」仕事ができる訳者の方を探しているそうです。(引用終わり)

関心があれば推薦してくれるとのこと。
当然、「よろしくお願いします!」とメールしました。

この手のご紹介が実際の仕事に結びつく確率は、経験的に3割ぐらい。コールドコールによる営業の確率が1%ぐらいなのでかなり高い。とはいえ、「紹介してくれる」と言ってくれてもその方もお忙しいし、依頼した側の会社もいろいろな人に声をかけている可能性もあるので過度な期待は禁物である。

とはいえ、名刺は配っておくべきだ、とメールを送りながらあらためて思いました。

今度(と言っても半年ぐらい先)、ある会で20名くらいの方にお話をする機会がある。「お話」とはいっても勉強会というよりは「質問会」という形式で、事前に質問を頂戴してそれにお答えするという談話会みたいなものかな。その質問の中に「性格的に営業ができないけれども、どうやってお客様を増やしていけば良いでしょうか?」というものがあった。

簡単には答えられない質問です(だからこそ談話会のテーマになるんだけどね)。営業って、それをしたことのない人には、今までの自分の殻を一つ破る行為であることは間違いない。その殻の一つが「照れ、とか恥ずかしさ」だと思います。

もちろん殻の厚さは人によって違う。

僕は証券会社の営業だったので、とてつもなく厚い殻を思いっきりこじ開けないと生きていけませんでした(文字通り人生観変わります)。そのインパクトは強烈で、あそこまで行っちゃうと「向き」「不向き」はあると思いますが、もちろんだれでもちょっと意識すれば割れる薄い殻もあります。

その一つが、クラス会やOB、OG会で友達や昔の知り合いと久しぶりに会った時に名刺を配りまくる、ということではないかな。もちろん、それだって恥ずかしい。それを破る口実は「ごめんね。僕は自営業なので久しぶりに会う人にはとりあえず名刺をくばっちゃう癖があるんだ」というアプローチじゃないかな?

自分が恥ずかしい、照れちゃうと思うのは自意識過剰。そう思えば少しは気楽になるでしょ。

お試しあれ(・・・ていうようなお話をする予定)。