金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

営業に対するマインドセッティング(テーマ3:似非プライドをかなぐり捨てる(2008年時点での感想)

昨日の続きです。2008年7月に行ったJTFセミナー私にと「いつまでもアマと思うなよ」
~金融翻訳者が語る自立するための心がけと具体的な方法~のテキストから。あくまでも15年前の私の意見であり、ここで述べられている具体的な手法等が今も通用するとは思いませんが、自営業者としての心掛けということで、特に脱サラを考えておられる皆さんにお話する時には下の内容を繰り返し強調してきました。

 

(ここから)


今の私にとって一番怖いのは、

「A社との関係が途切れると来月が見えなくなる」

という事態は何としても避けておきたい。
相手に対する立場も弱くなりますし。

もっと具体的に言えば、毎月の請求書の送り先が5社を切る状態は何とか避けたいと思っています(現在は9-10社)。

そのためには仮にA社からの注文を「泣く泣くお断りする事態に」結果としてなったとしても(ならないように極力仕事を受けるのですが)、それよりも横広がりを優先する、というのが私の方針です。

これは私が証券会社の営業を経験していたから余計にそう思うのかもしれません。ただし、足を棒にして歩き回ったかつての営業とは違い、今の翻訳の営業は(こと対翻訳会社に関する限りは)メールを送ってトライアルを受けるだけですから全然苦になりません。

かつての営業と今の「営業」に共通点があるとすれば、自分のプライドを捨てられるかどうかの1点だろうと思っています。要するに門前払いを食らったり、若い兄ちゃんや姉ちゃんにあしざまに扱われたり(こういう会社はこちらからお断りですが)、トライアルに落ちるという屈辱に耐えられるか、ということではないかと思います。

ちょっと余談になりますが、ある程度社会経験を積んだ人がコネなしで翻訳を始めたときにぶつかるのが、この「プライドをかなぐり捨てられるかどうか」という点ではないでしょうか。

その点、目の前で自分の名刺を破られたり、明らかに社長がいるのがわかっているのに「いませんよ」と言われたり、電話をしたら「うるさい!」と言われてガチャンと切られた経験を持つ私にとっては、翻訳会社に対する「営業」活動(トライアルの申込)の精神的負担はほとんど楽勝、お遊びに近いものがあります。