金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

「汗を流す」に微妙な違和感(2024年12月1日)

今月の私の履歴書は、ジェラルド・カーティス氏。題字も日本で書いており、おそらく原稿も日本語で書いているのだと思いますが、ちょっと気になる表現があった。

「60年前、私は初めて日本の地を踏み、東京で丸1年、日本語の習得に汗を流した」

この文脈での「汗を流した」は正しいけれどもちょっと古いかもしれない。今の日本人なら、「日本語の習得に没頭した」「日本語の習得に懸命に取り組んだ」「日本語の習得に全力を注いだ」と表現するところではないかな。

そう言えば政治家がよく「下働きをする」とか「裏方に徹する」という意味で「汗を流す」という言い方をする。カーチス教授は政治学者だから、そちらの日本語に引っ張られたのかもしれない。

先日の翻訳教室で金子靖先生が、日本人が生成AIに書かせた英語、あるいはアメリカ人が生成AIに書かせた日本語は、正しいけれどもネイティブから見るとちょっと違和感があるはず、という点を忘れるべきではないと指摘されていました、「こういうことなのかな?」と一瞬思った次第(カーチス先生がAIを使っていると思ったという意味ではありません。あえて言うと「非ネイティブの限界」だろうか)。

いずれにせよ、先月に引き続き面白くなりそうな1カ月です。

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