金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

Chat-GPTは間違える

Chat-GPTは融通が利くので、それだけ間違える確率も高い。

今、「間違え」と書いたけれども、そもそも人間の判断には「幅」や「隙間」があるのだから、そのうちのどこに焦点をあてるかによって、あるいはその隙間をどう埋めていくかによって、結果として「間違えになる」、という方が正確なのかもしれない。

翻訳では、短文だけを見るとABどちらにも解釈できるのだが、文脈を見て最終的にAに決まる、というケースは少なくない。

「・・・で、・・・なので、ここはあなた(Chat-GPT)の解釈AではなくBではないか?」と尋ねたら

「あなたのおっしゃる通りです」

といった具合だ。ここ数日で、こういう事例がいくつかあった。もちろんその逆もあった。僕が勘違いをして間違えてしまうケースだ。Chat-GPTはそこをきちんと指摘してくることが多い。もちろん指摘してこないこともあって、「あの点はどう?」と尋ねると「失礼しました。その点を見落としていました」と回答を修正してくることもある。

いかにも人間的で好感が持てるものの、だから一層「辞書的な使い方ができない」「最後のよりどころにはなり得ない」というChat-GPTの性格が明らかになってきたように思う。
Chat-GPTは、優秀なアシスタントにすぎないのだ。

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