金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

翻訳の品質管理に時間を取られる(翻訳者の実力不足と飜訳会社の怠慢①)(2013年5月15日)

昨日は1日Readingのレポートを書くつもりだったが一昨日某翻訳会社から翻訳を見直してもらえないかとの依頼。大きなプロジェクトの一部とのことで、インターナルの翻訳者に訳させたのではないかと思われる。先週打診があったが忙しいので断った案件である。

その会社によると、先週いったん納品したがお客様からいくつかの点が不自然なので(赤の印がついている:3~4箇所あった)そこを中心に見直してくれないか、ただし絶対にこの仕事取りたいので赤印の点以外も一応目を通して欲しい、と。原文は1500ワード。長くても1時間半とみて引き受けたのだが・・・

自分もチェックを受ける身なので、余計なケチはつけないよう、なるべく最初の訳文を生かす方針で臨んだが・・

結局5時間かかった。お陰様でReadingのレポート終わらなかったです。

以下は担当者に送った私のメモの要約
「この翻訳者は原文の9割以上の内容を理解していると思われるが、以下の問題が散見された。
①メッセージのキモとなる数カ所を読み間違っている(ノックアウトとなるミステイクをしている)。
②MayをMarchと読み間違える類いのケアレスミスを5箇所程度犯している。これは訳者自身の問題というよりもQA(品質管理)サイドの問題だと指摘した(人間は間違える動物だから)。
③日本語があまりにも直訳的で読んでいてかなり強いフラストレーションを感じる。日本語の読み物ではなく、「単に英語を日本語に置き換えた文章」にしか読めない。

以上を総合すると、この翻訳者は、相当強力なバックアップ体制がないと、独立した翻訳者としては使えない」

 

 

負けは負け(翻訳者の実力不足と飜訳会社の怠慢②) - 金融翻訳者の日記