金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

「AIの時代」だからこそ、「アナログ」が生きる。

(以下引用)
ビジネスが「問題の発見」と「問題の解決」という組み合わせで成り立っているのであれば、今後のビジネスではボトルネックとなる「問題」をいかに発見して提起するのかが鍵となります。
(山口周著『ニュータイプ時代―新時代を生き抜く24の思考・行動様式』p37 ダイヤモンド社

* 問題解決はAIがどんどんできる時代には、むしろ問題を発見する力が重要だ、とおっしゃっていると解釈した。新井紀子さんが、AIに打ち勝つには道具としてのAIに正しい問題解決をさせるために「教師データ」を作成する能力こそが重要、そのための方法は、まず「基本的な読解力をつけること」、そのための(恐らく唯一無二の方法は)ゆっくり、意味を考えながら音読したり書き写したりすること、と主張されているのに通じると思った(以上はすべて私の解釈)。

要するに、AI時代が進歩すればするほどアナログ的な思考や発想が大切になってきたということを新井さんと山口さんはおっしゃっている。なお、同書の中で山口さんは「解決すべき問題が少なくなってきた」(「問題は少なく、解決能力が過剰な時代」p36)とおっしゃっているが、この点について僕は納得していない。マクロ経済学において技術の進歩と共に求められる雇用形態は変わるものの、雇用に限界ができるという説はナンセンスだ(『『良き社会のための経済学』』p291)という主張があるように、時代がどんなに進んでも変わっても、人間が解決すべき問題の総量が減ることはない、と僕は思っています。

よい1日を!

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