金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

校閲者(チェッカー)が自己主張を始めたら・・・

校閲者が自己主張を始めたら終わりだと思う。

最初の翻訳者をリスペクトし、その翻訳を生かす。自分はあくまで黒子であると肝に銘じ、なるべく元の翻訳に触らず、一定の質を保つために最低限必要な修正案を施す。

そして時間の余裕があれば、その修正案を翻訳者に見せて、最終決定権を翻訳者にわたす。
ある仕事で、僕はなるべくそうしようと努力しているのだけれど、時に自分の「我」が出てしまうことがあるのは戒めないと。

そして、最低限必要な修正を施しているはずなのに、大半が訳し直しになってしまったら?翻訳者を代える(能力がないから)か、校閲者を代える(分をわきまえてないから)しかないんじゃないかしら。

いずれにせよ、校閲、いわゆる翻訳チェックは、翻訳志望者にできる仕事ではない。少なくとも「翻訳者になる前に、まずはチェックから・・・」は順番がちがう。