校閲者が自己主張を始めたら終わりだと思う。
最初の翻訳者をリスペクトし、その翻訳を生かす。自分はあくまで黒子であると肝に銘じ、なるべく元の翻訳に触らず、一定の質を保つために最低限必要な修正案を施す。
そして時間の余裕があれば、その修正案を翻訳者に見せて、最終決定権を翻訳者にわたす。
ある仕事で、僕はなるべくそうしようと努力しているのだけれど、時に自分の「我」が出てしまうことがあるのは戒めないと。
そして、最低限必要な修正を施しているはずなのに、大半が訳し直しになってしまったら?翻訳者を代える(能力がないから)か、校閲者を代える(分をわきまえてないから)しかないんじゃないかしら。
いずれにせよ、校閲、いわゆる翻訳チェックは、翻訳志望者にできる仕事ではない。少なくとも「翻訳者になる前に、まずはチェックから・・・」は順番がちがう。