金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

交渉なしで単価がアップした話(真面目にやっていればこういうこともある、ということで)

昨日某社からメール。発注内容の説明とともに「なお5月納品分から翻訳単価を〇〇円にさせていただきます。少額のアップで恐縮なのですが、よろしくお願いいたします」とのメッセージ。これまで単価アップ交渉をして上げてもらったことはあるが、こっちが頼んでもいないのに単価を上げるオファーをもらったのはこの16年で初めて。しかもアップ率は15%ほど。元々の単価も決して安くなかったのに。

なぜだろう?このお客様、ある方の紹介で始めた仕事で、とにかくその方の顔をつぶさないようにとそれだけを心がけて一生懸命やってきた。ただし、資料入手に思ったより時間がかかった、出来上がりへの不安(見直しをする時間が十分に取れない)などの理由で納期を数日延ばしてもらったことも何度かある。こちらは誠実に伝えたつもりだし嘘はひとかけらもないのだが、向こうからすれば「納期に間に合わないことの言い訳」にしか響かないような理由だ。「良い物に仕上げるため」と自分なりに納得し、悪評価につながりかねないことを覚悟して日延べをお願いしてきた(いつもじゃありませんよ。念のため)。

ただ、その代わり、というか逆にと言うか、納期を延ばしてもらったのだからなおさら良い物を、と心がけたことは事実。出した物は自信、というか「今自分ができるせいいっぱいのことはした」という納得感があった。しかしやむを得ない。どんな理由であれ日延べとはスケジュール管理不足に他ならないのだから。だから少し心配はしていたのだが・・・逆にこういった対応が逆に評価されたのだろうか?単価が上がったとはそういうことなのかな。

自慢たらしい報告で恐縮ですが何しろ初めての経験で嬉しかったのと、もしかしたら皆様の何かの参考になるかもしれないと思いここに書くことにしました。

よい1日を!