(1) 翻訳をする。
(2) 原文と訳文を両方音読しながら見直す。
(3) 読み上げ用ソフトで英語を聴きながら訳文(日本語)を見直す。
(4) 日本語を音読する。
日本語の読み上げ用ソフトが使えなくなってから、ほぼ上のようなプロセスで翻訳を進めて納品していますが、ここに来て英語を聴きながらの訳文チェックが力を発揮しているとの実感は、気のせいではなさそう。
数字や時制もさることながら、英語を聴いていてその訳文がスッと頭に入らない、というか英語と日本語がすんなり頭の中でつながらないと何かが間違っていることが多いのだ。数字は当然としても、それは時制であったり、助動詞の醸し出すニュアンスであったり、場合によっては事実(訳抜け)のことすらある。
これは、僕は今年8月ぐらいからのTOEICの勉強を始めたことが大きいのではないか、という気がしている。TOEICの問題集の中にはかなりよくできたものがあって、スマホにダウンロードできる音声特典には、リスニングテストの音声は当然としても・・・
PART2応答問題の問題と正解だけの応答英文
PART3の対話文の一部台詞抜き(登場人物の台詞がポーズになっていて自分で暗唱または音読する。従って登場人物が三人の場合には、1つの問題でAがポーズの音声、Bがポーズの音声、Cがポーズの音声の3回分が入っている)に加え、
ReadingセクションもPART5とPART6は、穴埋めの正解の入った英文、
PART7(読解問題)は問題文の音声読み上げまで入っている教材まである。
しかも、旺文社とアルク社のリスニング用ソフト(無料)では、ピッチを上げずに1.1~2倍速で英語を聴ける(ただしアルク社は、アンドロイド用アプリではまだ倍速にするとテープの早回し状態になる。すでに申し入れ済みで対応してもられるとの返事をもらっている)。
要するにたった1冊の問題集で何度も、さまざまな角度から学べるような工夫が施されているのだ(ただし、すべての教材がそうだとは限らない。本の説明ページや各社のダウンロード用ページで、どのような内容のものがダウンロードできるかをチェックする必要がありますのでご注意を)。
僕は9月から、ある問題集1冊の音声を、毎日散歩しながら何度も聞いてシャドウイングしています。この問題集は、上に述べた機能がすべてついている『TOEIC(R) L&Rテスト 至高の模試600問』(アルク社)。今、30回目ぐらい。最終的には日本語を見て英語を言えるようになりたいので、一応100回を目安にするつもり。
単なる聞き流しと(聞き流しの問題点については、またの機会に述べる)、真似するつもり、暗記するつもりで聴くのでは天と地ほど効果がことなることを実感しています。
翻訳者はTOEICを受ければ良い、というのは青山ブックセンターで文芸翻訳の教室をされている金子靖先生(研究社編集部)のお勧めで、最初僕はピンとこなかったのだが、たまたま息子に煽られて受ける羽目になり、受けるからにはそこそこ準備はしようと勉強を始めてみると、TOEIC受験を意識した英語の勉強(というか訓練かな?)は、単に英語力を落とさないだけではなく、僕の翻訳業務に活きていると思う。
その一つがリスニングによるチェックの精度が上がる、とうこと。あと2つ、PART 5とPART6にも翻訳に役に立つ効果があるのだが、それはまたの機会に触れます。