金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

翻訳上のキモ(2013年2月8日のFB日記より)

自分がもしかしたら翻訳力が少しはついたのではないか、と思った瞬間の一つは、
「この英語はどういう意味だろう?」
ということではなくて「著者はなぜここでこの表現を使っているのだろう?」
ということを意識している自分に気がついた時だった。

4~5年前かなあ。

そしてそのきっかけとなったのは、(恐らく)ノン・ネイティブの英語を読んでいるときだったと思う(うろ覚えですが)。たしかその時は、その人の言語ではそういう言い方をしてしまうので、それをそのまま辞書に当てはめた結果ではないか、という結論だった(ような気がする)。いわゆる「和製英語」みたいなもんです。

たしか書き手はドイツ人だったんじゃないかな。その後、ネイティブスピーカーの書いた英語でも同じ考え方をあてはめるようになったんだ。

「なぜ、こいつは、この文脈でこういう表現をわざわざ使っているんだ」とね。

そして僕の出した答えの多くは「ただ、何となく」だったんじゃないか。と。

ただしその判断の何十回に1回が結構、翻訳上のキモであったりするんだ。