自分がもしかしたら翻訳力が少しはついたのではないか、と思った瞬間の一つは、
「この英語はどういう意味だろう?」
ということではなくて「著者はなぜここでこの表現を使っているのだろう?」
ということを意識している自分に気がついた時だった。
4~5年前かなあ。
そしてそのきっかけとなったのは、(恐らく)ノン・ネイティブの英語を読んでいるときだったと思う(うろ覚えですが)。たしかその時は、その人の言語ではそういう言い方をしてしまうので、それをそのまま辞書に当てはめた結果ではないか、という結論だった(ような気がする)。いわゆる「和製英語」みたいなもんです。
たしか書き手はドイツ人だったんじゃないかな。その後、ネイティブスピーカーの書いた英語でも同じ考え方をあてはめるようになったんだ。
「なぜ、こいつは、この文脈でこういう表現をわざわざ使っているんだ」とね。
そして僕の出した答えの多くは「ただ、何となく」だったんじゃないか。と。
ただしその判断の何十回に1回が結構、翻訳上のキモであったりするんだ。