金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

日英(日本語→英語)翻訳におけるネイティブ翻訳者とのやりとり(2012年12月)

某社の開示資料和英。原文は2000文字程度の和文英訳。

一昨日ネイティブ担当者から英文が届き、昨日朝14箇所の質問を投げる。一応対案(修正案)はつける。これに3時間かかった。

14箇所のうち3箇所は「なぜこの部分を逐語訳にしなかったのか?」という僕の質問にへの回答。「その日本語をそのまま英語に訳すとネイティブには通じません」と。再反論することもあるが、今回はじっくり考えて相手の言うことももっともと思いお客様向けのコメントで対応することにする。

それとは別の箇所で日本語の(ニュアンスの)理解がやや足りない部分について日本語で説明をして私の修正案の再考を求めたところ。

メールのやり取りはかなり淡々とやるので結構ムッとすることが多い。

多分向こう側もそう思っているだろう。何しろネイティブの作ってきた英語に対して日本人の僕が英語で修正案を出したり、「これは理解が間違っている」「これは日本語の意味をくみ取っていない」とか書いているし、向こうは向こうで「鈴木さんの発想は和製英語の発想だ」と言い返してくる。

こういうやりとりが1回の仕事で多いときで6往復ぐらいある(今回は2往復で終わりそうだ)。

彼との付き合いは6年ぐらいになるし、これまで喧嘩別れしそうになったことも1,2度はある。でもお互いに良い作品を作りたいと思っているという共通認識はあるし、表現の行き過ぎに他意がないことは既にこれまでの何度ものバトルでわかっているので関係が悪くなることはない。逆にそうなりそうだったらすぐに電話して関係修繕を図る。
多分彼もこの程度(喧嘩一歩手前)の緊張感を楽しんでくれているのではないかなあ、と自分を納得させている。

今晩にはその返答が帰ってきて明朝納品となるはず。

それ以外にプルーフリーディングの仕事も任せてある(この客先は昔から使っている英文のプルーフリーディングと新たに英語にする部分の和英を依頼されているわけ)いるが、これも全部私が目を通して私が納得できないものはとことん詰める。

頑張りましょ-。