金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

仕事を「断る」とか「断らない」ということについて(2012年12月)

昨日の書き込みに対するYさんのコメント「鈴木さんでも、二度と来なかったらどうしよう、と思われると聞くと、少し安心します。」について思ったことを。

コメントありがとうございます。

まず基本観は(当たり前のことですが)
「数ある翻訳者の中からわざわざ私を選んで指名していただいて有り難い気持を忘れず、お断りしない」のが原則です。

そうした基本観の下に、まずソースクライアントについては、事前に相談されて「ここまでなら」というお話をしたことは何度もありますし、日程調整をお願いすることはありますが(今もあります)、実際に仕事がきた時に、分野違いを除いて「ノー」と言ったことはありません。

翻訳会社さんとのお付き合いについては、もちろん忙しい時は断れるのがソースクライアントとの違いです(この点と、品質管理をしてくれるので単価がソースクライアントよりも安い)が、そうは言っても双方の「信頼の積み重ね」が最も大事だと思っています。

つまり「あの時断った」「あのとき断らなかった」という繰り返しの末に長期的な関係を積み重ねていくウチに先方に出来上がる一種の安心感は裏切ってはならないと思っているんです。

つまり「いざというときには『お願い!』といえばスズキさんなら受けてくれる」という安心感は持っておいてもらいたいということです。

この点を意識するようになったのは3年ぐらい前からです。翻訳会社のお仕事を立て続けに断っていたら関係が切れてしまったことがあったのです。久しぶりに連絡した時に言われたんですよ「スズキさんはいつもお忙しいから」。調子に乗って相手の担当者の気持ちをくみ取ってなかったんですね。多いに反省しました。「付き合いが切れてもしようがない」という先を除いて3回連続断ることはしないように意識しています。
昨日は2件、別の翻訳会社からの仕事を断っているんですが、この2社については次に来た時は(少々無理しても)極力お受けしようと思っています。