様々な英語参考書を利用している立場から見ると、出版社や書店の皆さんは、新しい本をつくる暇があったら、これまで出たもののの中で良質なものを探す/編集し直す/勉強の仕方を提示するなど付加価値を高める努力をした方が生産性がはるかに高いと思う。小説やエッセイや漫画じゃないんだから。
たとえば英文解釈の参考書って、消費者がそれに費やす時間で言うと、小説やノンフィクションといった読み物と辞書と中間に位置していると思うがどうだろう。
参考書1冊を勉強する時間は、読み終えるまで数日から数週間の小説やノンフィクションよりはずっと長いはずだし、一方数年から場合によっては一生持ち続ける辞書よりははるかに短い。学習者がまじめに取り組んで数カ月から1年ぐらいと想定できるのではないか(僕のように、1日当たり10~15分で数日に1回という使い方は例外)? だったらそれなりの売り方あるよな~とNHKの土曜ドラマ「舟を編む」を見ながらふと思った。
消費者が学習書に求めるのは、よい素材と優れた勉強法の提示なのね。出版社の枠を超えて取り組める工夫はいくらでもあると思う、出版社にも、書店にも。ときたま訪ねる大手書店の参考書の棚を見ていると「自分の仕事を作るための本づくり」はやめてほしいと感じることが最近多い。それでは生産性のない「でもしか」公務員と同じだろ。
例えば、研究社に一定の著作権料を払って『英文解釈教室』の英語原文だけをそのまま使って解説の内容を全部書き換えて「異説『英文解釈教室』」つくっちゃだめなの?もっとも原文の著作権についてのチェックはする必要があるかもしれんけど。そういうこと誰か考えてくんないかなあ。