金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

オンライン英会話でこちらがレッスン?(ロートルから新人翻訳者へのアドバイス)

今日のオンライン英会話で「僕の生徒に経済分野の翻訳者がいるんだが、客数が増えないのでもう廃業しようかと思っている。アドバイスはないか?」と聞かれた。彼の悩める生徒さんは40代女性。数カ月前に脱サラして独立したらしい。
「僕のやり方は、10年前ならともかく今は通用しないと思うが・・・」と前置きした上で三つのポイントを挙げた。

① 四の五の言わずに数を当たれ。100件に1件ぐらいは返信がある。そして、応答してくれた中でトライアルに受かるのは10件に1件ぐらい。受かっても仕事が来るのはその数分の1。最初の仕事はどうせだれかのピンチヒッターなのだから、仕事が来るまで数カ月かかることもある。それが標準と覚悟する(少なくとも僕が成り立てのころはそうだった)。多くの若い人は、たかだか1件や2件の応募にビビっている。甘い。
②「似非プライド(つまりは見栄)」をかなぐり捨てよ。中年脱サラ組が続かない最大の障害は「実務経験をそこそこ積んだこの俺様が、なんでこんな若い姉ちゃん(または兄ちゃん)から悪し様に扱わらなければならなんだ!失礼にもほどがある!!」と思ってしまうへんな自意識だ。はい、失格。これを抑えるのは精神的にかなり厳しいことは事実。僕もそうだった。でも本当のプライドは他人に頭を下げることから生まれるのだ。そう思って、くやしさをグッと我慢して当たり続けよ。
③「経験3年以上が条件?無視無視!!!その方40代だっけ?いつから翻訳の勉強始めているのかを聞いてその期間を『経験』に入れときゃいいじゃん」
「それでも大丈夫か?」
「ダメな理由ないでしょ。ポイントは、遠慮して損することはあっても出過ぎて損することはないから。そう言っといてよ」
「わかった。話してみる。サンキュー」

これで30分。ネイティブ教師並みの講師(高校で政治経済を(もちろん英語で)教える教師でもある))を相手に英語でプレゼンをさせてもらったと思うことにする。