(1)2019年の今日
メッセージ発見について言いうるのは、以上である。「ずいぶん簡単だな」と不満を持たれた読者が多いだろう。もしメッセージが8割の重要性をもつものなら、なぜ「メッセージの発見法」に本書の8割をさかないのか?
これに対しては、「マニュアル的ノウハウがないから」と答えるしかない。ノウハウがないことを知るのが、ノウハウなのである。
(『超文章法』野口悠紀雄著、p38)
(2)2018年の今日
さて商品名をどうするか。堤清二さんやデザイナーの田中一光さん、コピーライターの小池一子さんらが議論を重ねた。ノーブランドでは同業他社との差が打ち出せない。田中さんが突然、「無印良品だ」と言ったという。ノーブランドを日本語にしてみて浮かんだそうだ。良品はノーブランドの安かろう悪かろうのイメージを払拭する意味だ。・・・(中略)・・・
無印良品の第1弾が西友の店頭に並んだのは80年12月。店内にこんなポスターが貼られた。「わけあって、安い。」。小池さんのコピーは秀逸だった。
(2018年2月16日付け日経新聞 松井忠三「私の履歴書 ― 無印良品誕生 主婦の声で生まれた商品 ノーブランドの印象 払拭 」