『月刊金融ジャーナル』
という業界誌がございまして、そちらで書評をいただきました。
(以下引用)
2003年に起こったBRICsブームが終わりを見せようとするなか、次の「ブレイクアウト・ネーションズ」(突出した成長を成し遂げられる国々)はどこなのか。
モルガン・スタンレーで新興市場(国)への投資責任者を務める筆者が、実際に何度も訪問し、見聞し、分析し、世の中に紹介し、そして投資してきた新興国の中~探り出そうとする。そのプロセスと結論が本書では述べられている。
最初に、明暗が分かれた格好のBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)の成長性に触れてから、本題である次の「ブレイクアウト・ネーションズ」を探る。その候補に挙げたのは各国の事情はそれぞれ異なるが、チェコや韓国、トルコ、ポーランド、タイなどである。
これまで多くの専門家から、いずれ中国のGDPは米国を抜き去るといった見通しが示されてきた。これに対して、本書は懐疑的で、「これから2年、あるいは3年たたないうちに原則は本格化し、中国の成長率は10%から6~7%へ落ちるはずだ」と指摘。その姿を「1970年代初めに日本がたどった道」と表現している。
本書は新興国に関する記述が中心であるが、全編を通じて日本の事例が数多く紹介されている。しかも、その多くは、反面教師としての日本である。訳者の鈴木氏はあとがきで「日本人の目からは”反省の書”という読み方もできるのではないか」と付け加えている。
(引用終わり)『月刊金融ジャーナル2013年4月号』
訳者に触れていただいたのは初めてです。感謝。
アマゾンではちょうど1ヶ月ぶりに「在庫あり」になった。
と言っても別に爆発的に売れているという意味ではありません。確かに書店から在庫はなくなっているというのは事実。ただし増刷に踏み切れるほど強気にはなれないので、出版社としては返本を待ってそれをアマゾンに回しているわけです。
そこそこ売れているのだけれど、微妙な線でして訳者としてはややくやしい側面もあるのが本音(アマゾン経由では受注を逃しているはずだから)。一方こういう体験を愉しんでいる自分もいる。
(後記)残念ながら、本書の中国に対する見方は、現時点では間違っていたことになります(2021年4月14日記)