(1)2020年3月25日
当時の首相だった小泉純一郎さんが「痛みに耐えて、よく頑張った。感動した!」と叫んでトロフィーを渡した。それはそれでいいけれど、破れた武蔵丸になぜ触れないのか。
(是枝裕和著『希林さんといっしょに。』スイッチ・パブリッシングp83)
本日の言葉:希林さんと是枝監督との対談中で語られた、是枝監督の過去の発言に関する思い出話から。この「優しい」言葉を(新聞記事で)読んで、ものをつくるひとりの人間として信頼が増したと。是枝監督のような目線を無意識で持ちたいと思うのですが、人間修行ができていなくてなかなか・・・。
(2)2019年3月25日
「不可能を辞書に加えて卒業す」……。巣立ちの式辞は、若者を励ます言葉に満ちている。でも、何者かになろうと、ある進路を選ぶことは別の可能性を失うことでもある。
選ばなかったもう一つの道は、私たちをどこへ導いたのか。それは、永久にわからない。いくつもの曲がり角を一方に折れ、その都度、不可能を辞書に加える。それが大人になる、という営みなのだ。でも、作者は教え子の選択を祝福し、彼らの可能性を信じる。
(「春秋」本日付日本経済新聞)
(3)2018年3月25日
鶴見さんとは3度ほどお目にかかる機会があったが、氏の作品を愛読していた私はその思想や生き方からじつに多くの影響を受けることになった。とりわけ忘れられないのは、2018という言葉だった。
(「私の履歴書」山折哲雄(23)「思想の科学」)