昨日、日本経済新聞とA新聞の違いについての話題を書きましたが、平野歩夢さんの金メダルをめぐる本日の朝刊の紙面にその特徴がはっきりと現れたので、両紙のタイトルと最初の2文を 紹介しておきます。
A新聞
(タイトル)
平野歩、さらに高く「金」
怒りと集中 3回目逆転
(記事の最初の2文)
淡々とした表情の奥に、こみ上げる怒りがあった。スノーボード男子ハーフパイプ決勝。
日本経済新聞
(タイトル)
平野歩が「金」
男子ハーフパイプ
(記事の最初の2文)
北京冬季五輪第8日目の11日、スノーボード男子ハーフパイプで平野歩夢(TOKYOインカラミ)が優勝し、1998年長野トリンで採用されたスノーボードで日本選手初めての金メダルに輝いた。(関連記事スポーツ面、社会面に)。
(引用ここまで)
しかも本日の紙面で面白かったのは同じ一面の日経「春秋」(コラム)が平野歩夢さん一色。
(以下引用)
……平野さんは、東京五輪の競技を終え、こんな謎めいたコメントを残した。「人はいろんな負荷がかかればかかるほど身軽になる」
▼昨日の決勝の最終滑走。平野さんは五輪史上初の高難度の技を身軽に決め、逆転で金メダルをつかんだ。ミスは許されない。でも大技を成功させなければ……。手に汗握る場面にくぎ付けになった。ここで想起されるのが昨夏の言葉である。二刀流への挑戦は、夢に向かって歩むため、あえて自身に課した負荷だったのか。(ここまで)
ぜーんぜん違うでしょ?これ、スポーツ面に限りません。朝日の記事はどんな記事でもこんな感じ。日経の記事もこんな感じです。日経は事実を伝える記事とコラムをきちっと分けている。
参考までに言っておくと、今日のA新聞の一面コラムはウクライナ問題。これを扱うことは重要だ。
でも、今日の場合はだよ、僕には、一面全体のバランスを考えると、日本経済新聞の方がはるかに優れた紙面になっていたと思います。
僕はA新聞の権力を監視しようという姿勢を支持するけれども、残念ながら、この紙面作りはどうなのか?これがジャーナリズムなのか?と疑問を感じざるを得ません。