金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

社会の品格:出会った言葉:昨年~4年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)(212)

(1)昨年の今日
「老人が住みやすい町、障がい者が住みやすい町、外国人が住みやすい町っていうのは、それぞれの人たちが孤立して住む町ではなくて、そういう人たちをケアし、何かあったらケアしますよ、できますよという雰囲気のある町なのだと思う」
安克昌著『心の傷を癒やすということ』p417、作品社)

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*『心の傷を癒やすということ』は現在映画が上映中ですが、昨年NHKで報じたドラマの劇場版だそうです。本日の言葉。安さんはこういう雰囲気を「社会の品格」と言っている。今から20年前以上前に書かれた文章(安さんは2000年12月に永眠)ですが、自主警察が報じられたり、とんでもない政治家や役人の悪行や失言が後を絶たなかったりする今の日本社会は、明らかにその品格(英語でいうdecencyが近いのではないかとの解説が同書にありました。)が下がっているのかと思った。(decency =
honest, polite behaviour that follows accepted moral standards and shows respect for others./Oxford Advanced Learner's Dictionary 10th Edition © Oxford University Press 2020)

(2)3年前の今日
(外国のスパイ容疑者を捕らえたとき)白黒の判断には「建国記念の日の由来を尋ねよ」と、コラムニストの堀井憲一郎さんが著書『ねじれの国、日本』で提案する。知らなければ白、すらすら語れば予習済みの回し者だと。
(「春秋」2019年2月11日付日本経済新聞

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(3)4年前の今日
フリーランス(自営業)は、仕事の注文がなくなれば収入が即ゼロになるのは辛いけれども、仕事があれば好きなだけ働けるのはありがたい。
・・・(中略)・・・ 私は・・・職人になれたら素敵だとは何度も思った。
単なる繰り返しのように見える単調な作業を、そこに毎日小さな発見を探すことで持続のエネルギーに変えていく仕事。
 拡大することで欲望を満たそうとするのではなく、持続することに無限の満足を感じることができる仕事。
・・・(中略)・・・ だからこれからも律儀な職人のように、どんな状況にあっても何かしらやりたい仕事を見つけて、それに夢中になって死ぬまで過ごしたい。
(エッセイスト 玉村豊男 2018年2月10日付日本経済新聞夕刊「明日への話題 ― 死ぬまで働く」より)

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