金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

「鈴おとのかすかにひびく日傘かな 飯田蛇笏」:出会った言葉:2年前~4年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)(176)

(1)2年前の今日
「僕は気合いと根性は誰にも負けないと自負して生きてきました。でも、薬物だけはだめでした」元プロ野球選手 清原和博さん
(著者に会いたい「『魂問答』根性意味ない病との闘い」2020年1月25日付朝日新聞読書欄)

*薬物依存には他の犯罪とは違う側面があるので、捕まった人を社会的に糾弾するのではなく救済する動きをすべきだ、その方が薬物依存患者が減る方向に動く、というのは荻上チキさんらの主張で知っていたが、清原さんの言葉は、あれだけの実績を残した方の言葉だけにドンと響く。

清原和博さん「魂問答」インタビュー 根性意味ない病との闘い|好書好日

(2)3年前の今日
 ……「ファシズム」のむずかしい定義は知らないが、雰囲気がファッショ的だと思うときには、特徴がある。
 第一に、世の中、大変だ、大変だ、と絶えず緊張感をあおること。第二に、内容のとぼしく、あいまいな言葉を何度も、何度も、人の耳に吹き込むこと。人間の理性より、情緒に訴えた方が都合がよく、手っ取り早いというファシズムの手口がある。昭和50年(1975年)4月12日
(「ファッショ論争」『深代惇郎天声人語』p105)

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(3)4年前の今日
 鈴おとのかすかにひびく日傘かな 飯田蛇笏
(『20週 俳句入門』藤田湘子著(角川文芸出版)p45、『第六 折々のうた大岡信 p74)

www.amazon.co.jp*『第六 折々のうた』と『20週俳句入門』で同じ句に出会いました。なんたる偶然!これは覚えるな。

・・・というわけで大岡信さんの解説の一部を引用します。
(以下引用)
ホトトギス」の初期、虚子門において確固たる俳句世界をうちたてた人に、村上鬼城と並んで蛇笏がいた。早熟の文学青年は早くから虚子門下の大器として知られたが、この句は早大入学以前、十代末ころの作。まだ虚子にも入門もしていない。この句の語感の冴えは、ただ者でないことを示す。「かすか」な鈴音は日傘をさす女性が響かせているらしいが、「ひびく」と「日傘」の間合いが絶妙。(引用ここまで)

よい1日を!