金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

「悲しみについて語ることは、それから自分を隔てること」:出会った言葉(2年~4年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)(141)

(1)昨年の今日
言語コミュニケーションにおいては、「読む」「聞く」「書く」「話す」という四つの力が要求される。そのうち読む力が基本になるということが意外と理解されていない。大人になってから外国語を習得する状況を考えてみよう。読む力の範囲内で残り三つの力が発揮されるのである。
松岡正剛佐藤優著『読む力 - 現代の羅針盤となる150冊』(中公新書ラクレ)p234)
*本日の言葉は読み終わったばかりの本から。要はまず「読み」そして「書き」がまず大事だと言っている。著者の一人佐藤さんが「あとがき」で「そのうち読む力が基本になるということが意外と理解されていない」というのは、今の学校教育も巷の英語教室も、「話す」「聞く」に重点を置いているからだ。読み書きは地味な努力で一見つまらない努力だが、それなしでは本当の「話す力」も「聞(聴)く力」もつかないというご意見は僕もそうだと思います。

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(2)3年前の今日
「老いや病気にブレーキをかけたいとは考えない」「病を悪、健康を善とするだけなら、こんなつまらない人生はない」
日ごろ心がけたのは、身の回りの始末である。毎朝、ひとしきり掃除をする。服はぼろぼろになるまで着る。「長くがんと付き合っていると、『いつかは死ぬ』じゃなくて、『いつでも死ぬ』という感覚なんです。 樹木希林さん
天声人語 2018年12月14日付朝日新聞

(3)4年前の今日
悲しみについて語ることは、それから自分を隔てること。
(「折々のことば」2017年12月16日付朝日新聞より)