金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

「アメリカン・デモクラシーを根底で支えてきたのは、」:出会った言葉(3~4年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)(112)

(1)昨年の今日
「直訳か意訳か」というのは学生からよく受ける質問であるが、「原文と違うもの」が訳ではないのと同時に「日本語だけを読んだのでは分からないもの」も訳ではないのである。この矛盾した要求を個々の場面でどう調和させるか。
伊藤和夫著『英文解釈教室 改訂版 別冊』p13)
*引用文は、大学受験参考書から。我々のような仕事の場合は、「日本語だけを読んだのでは分からないもの」は論外で「日本語だけを読んだのでは分かりにくいもの」も訳ではないということになる。

(2)2年前の今日
器用より、無骨に一筋。
鷲田清一「折々のことば」本日付朝日新聞
*昨日録画で見た「グランメゾン東京」で、鈴木京香(レストランのオーナーシェフ)がキムタク(主人公。スーシェフだがキーパーソン)と及川光博(助っ人料理人、あとでメンバーに加わる)の料理へのこだわりを見て、「アタシは二人を天才だとおもっていたけど、間違っていた。執念がちがったんだ」と言うシーンがあった。そうだろうと思った。
間違いに気づくまでは自分が正しいと思うことを地道に、いつまでも続ける姿勢を「いいではないか」とおっしゃる鷲田さんに賛成。僕もそうありたい。

(3)3年前の今日
アメリカン・デモクラシーを根底で支えてきたのは、対立する政党間の「寛容」と「自制心」だった。
(「春秋」 本日付日経新聞より)
*引用は、スティーブン・レビツキー、ダニエル・ジブラット著『民主主義の死に方』濱野 大道 訳(新潮社、2018/9/27)

民主主義の死に方:二極化する政治が招く独裁への道 | スティーブン・レビツキー, ダニエル・ジブラット, 池上 彰, 濱野 大道 |本 | 通販 | Amazon

(4)4年前の今日
僕の意見や疑問が音楽的な美しさに捧げたものだとしても、彼らの「誰にも舐められたくない」というような感情にブロックされ、進めなくなってしまうことがある。そういうときは、僕の心のどこかに、権威的な欲求があるのではないかと疑うようにしている。
後藤正文の朝からロック 「彼女たちが強張(こわば)る理由」2017年11月8日付朝日新聞より)

良い1日を!