金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

スポーツ強豪校に子どもが入るということ(番外篇)(2012年11月)

我が家の次男は「学習塾」に行ったことがない。

高校も卓球の強さを基準に選んだので元々学力的には余裕があり「学習塾」に行く必要がなかった。いやそもそも中3の夏の大会終了後も近所の卓球道場に通うので忙しく「学習塾」どころではなかったという事情もあった(と言うか、部活を引退した後の方が部活に行かなくてよくなったので月曜日を除く毎日卓球道場に通い詰めたのである)。

で、高校に入ってみると予想されたことだが「卓球9割勉強1割」の生活が待っていた。
月~水と金は朝5時半起きで帰宅が午後9時~9時半。クタクタになって帰ってくるし、朝はギリギリまで寝ている。

木曜日だけは早帰り(「モクレン」と呼ばれている)で午後5時半に練習が終わる(これって普通の学校の部活修了時間じゃね?)ので帰宅が午後7時。せめてゆっくり休みたい。

というわけで、定期試験前の1週間(練習はあるが「モクレン」並み)を除くと、平日は自宅学習の時間はほとんどない(少なくとも1学期はそうだった)。土日は朝から午後2時頃まで練習なので、まとまった学習時間が取れるのは土日の夕方ということになるが、これも練習試合が入るとほぼつぶれる。

「勉強は休み時間にやってください。卓球部の長年の伝統です」。これが先生の指導である。「私もそうやって来ました」と鬼のH先生(顧問の先生は創立者たるT先生、2代目の現監督のH先生、3代目の若手のM先生ともすべて同行卓球部OB)
「まさか」と思ったが、次男も含め卓球部の中でも真面目派(半分ぐらいはいる)は本当に休み時間と昼休みに宿題をこなし、学校の予復習をしている。電車通学の子たちは電車の中で勉強をしているそうだ。何しろそれしか時間が取れないのだから。「練習の厳しさに比べたら楽なもんだよ」と次男(なおあと半分はほぼ勉強を放棄している模様である)。

2学期に入りようやく部活にも慣れて、次男は朝5時に起きて30分自宅学習をするようになった。

でもでも・・・これで大学受験に間に合うのだろうか?
当然「学習塾」に行く時間的余裕はない。

そんな超一流大学を受けないにしても、普通に考えれば間に合うはずない。特に英語が。
・・・というわけで我が家では私が英語に何か関われないかというのが結構マジな話題となっており、私もちょっと次男の大学受験対策を考え始めたところである。
(余談)
次男は高校は卓球推薦ではなかったので受験の必要はあり、毎日2時間ぐらいは自宅学習をしていたと思う。

受験勉強は9月から過去問のみ(英数国3科目)。古い物は古本で取り寄せて過去15年分を10回近くやった。私がスケジュールを管理した。
受験校を1校に絞ると受験勉強は楽である。面白いのは、次男の高校程度の中堅校だと過去15年間で一定のボラティリテイを保ちながらも徐々に難易度が上がってくるのがわかる。

受験の日、帰ってきた次男が「数学は3年前のレベルで結構簡単だった、英語は去年と同じぐらいでまあまあ。国語はいつもと同じぐらいかなー」と振り返った瞬間に受かったと思った。

(後記)現在は社会人2年生になった次男が高校1年の時の冬に書き込んだものです。当然というか何と言うか、現役では志望大学に落ち、生まれて初めて予備校に1年通って大学入学を果たしました。恐らく高校時代の最大の収穫は、部活をちゃんと引退まで続けられたことではないでしょうか。「あんな苦しい思いをすることは人生もう2度とないような気がする」と本人は言っております(2021年11月7日記)。