金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

政治家に期待できる最高の美徳はおそらく「偽善」:10月10日に出会った言葉

(1)2019年10月10日  
……目に見えない犠牲者については、心理学者が頻繁に取り上げて分析してきた。それによると、人間は顔の見える犠牲者の方に感情移入することが分かっている。これに対して、顔の見えない犠牲者、言い換えれば「統計上の犠牲者」にはあまり同情しない。たとえば、テレビに取り上げられた犠牲者たちには多額の寄付や義援金が集まる。しかし、もっと困窮している人でも、メディアに取り上げられないと誰も注意を払わない。
(『良き社会のための経済学』p286 ジャン・ティロール著、村井章子訳、日本経済新聞出版社
*昔に比べるとマスメディアの影響は減っている。けれどもその分だけ、自分の好みに合う情報を見る頻度が多くなりその影響の影響を受けやすくなっているのも事実。

自分で積極的に情報を取りに行けばバランスの取れた見方を簡単に取れる時代になっているが人は怠け者なのでつい「好きなニュース」「読みたいニュース」に目が行ってしまう。それを防ぐためにプロの編集者の目に頼るとそれはそれで問題で・・・だから社会が分断されやすくなっているのかも。そんなことを思いました。

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(2)2018年10月10日  
 死にゆく姿が生の一部なら、生きる姿も死の一部。時折耳にする言葉だが、樹木(希林)さんの人生にピタリ。
(折々の言葉 2018年10月10日日付朝日新聞

(3)2017年10月10日  
政治家に期待できる最高の美徳はおそらく「偽善」だろう 加藤周一
(2017年10月1日付け朝日新聞天声人語」)