金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

「寄り添う」:出会った言葉(2年前~5年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)(73)

(1)2年前の今日
「寄り添う」という言葉をよく聞く。
……そばにいて対話をしながら、その人が本当にしたいことを見いだしていく「過程」に寄り添う。「これが必要でしょ」と傍らから言うのではなく、本人が自分の手で必要なものをつかむのがミソだ。お仕着せは、それがどんなに適切でも当事者には元気を与えない。…
こう考えてみると、「寄り添う」には勇気がいる。(「親」「支援者」などの)社会的立場というよろいを脱ぎ、一人の人間として、傷つきやすい人間に向き合うことだから。
貴戸理恵の十人十色―勇気を持って「寄り添う」 2019年9月25日付朝日新聞
*「寄り添う」ときには向かい合うな、隣に座って同じ方向を向け、というアドバイスを受けて、かつて自分が「寄り添っている」つもりになったこともあるけれど、その時の自分は相当思い上がっていたんじゃないかな、と反省させられた今日のエッセイでした。

(貴戸理恵の十人十色)勇気を持って「寄り添う」:朝日新聞デジタル

(2)3年前の今日
 意味や理屈やストーリーで理解するのが知性だとしたら、「山を見てため息をつく」のも紛れもなく知性の一つだと、絵本作家(五味太郎)は言う。意味から離れて「絵的に考える」。これ、翻って文章についても言え、「論破したり結論出したりっていうのと違う文章の書き方」もきっとあると。
(「折々のことば」2018年9月22日朝日新聞より)

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(3)4年前の今日
同じ「代わり」を言うなら、「きみができないんなら、誰かが代わりにやってくれるよ」と言いたい。その誰かは「代理」であって「代替」ではない。
(2017年9月25日付朝日新聞 「折々のことば」より)

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(4)5年前の今日
本日は新聞から書き写した言葉が多かったのでそれをご紹介。「落ち語拾い」の長尺版です。いずれも本日付朝日新聞から

①「進む速さを変えると見えるものが変わる」(「天声人語」)

(天声人語)トコロジストという発想【朝日新聞デジタル2016年9月24日】: BirdNewsJapan


②「自信に満ちた人は子どもに信用されない。むしろ自信がないことを隠さない方が耳を傾けてもらえる」(多和田葉子「折々のことば」から)

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③「多くの人が勘違いしているのですが、「やりたい仕事」というのは、好きな物事の延長ではなく、自分の力で社会に貢献できる仕事だと僕は思います。取り組んだら5年後に社会をどんな風に変えられるのか、それを自分ができるか、ビジョンを明らかにておくこと」(「脳に汗をかき、一心に考えよ」森川 亮が語る仕事―2)

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