金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

記事のトーンが最近暗い朝日新聞(一読者の要望)

朝日新聞は弱者に視点を当てている。このスタンスは重要で僕は支持している。同時に安倍政権、管政権をはじめとする権力に対する同紙の批判的な姿勢も、正しいジャーナリズムのあり方だと考えている。だから購読している。ただし、最近は弱者にとって生きる条件がどんどん悪くなっているからだろうか、紙面のトーンが暗く、読んでいてつらくなってくる記事が多いと妻は嘆く。

「今日もだれだれさんが亡くなったとか、苦しんだとか苦しめられたとか、そういう記事を朝から読むとしんどいのよ」

そういう傾向はあるかもしれない。しかも朝日の場合、記事をかなり情緒的(お涙ちょうだい的)に書く傾向が昔からある。甲子園の時なんか、予選の時から、地方版で「母に誓った・・・」「亡き兄との約束」「あの時、あきらめなくてよかったね」といった見出しが目立つ。そこまでドラマチックにしなくてもいいやろーと思うことが結構ある。

今はコロナ禍でつらい思いをしている人々、ちゃんと国からの援助や補償を得られない人たちの声を伝えたいという思いはわかるし、世相をなるべく正確に反映することは大事なんだけど、もう少し明るい、将来に希望が持てそうな記事をちりばめてくれてもよいのではないかとは思う。朝日新聞の皆さん、ご一考を。

「・・・その点お父さんはいいよね。日経新聞も読んでるから」

確かに。日本経済新聞にはそういう情緒的な書きぶりの記事はほとんどない。日経新聞は、「ビジネスマンがクリップできる記事」を書くのが目標だとどこかで読んだことがある。コロナ禍の厳しさや貧困の問題についても、悲惨な状況も含めて、記事は淡々と事実や苦境を報じている印象だ。立場も大企業寄り、政府寄りの印象である。これに対し、春秋をはじめとするコラムはかなりリベラルで、全体としてバランスをとっているのではないかな。

一方、特にここ数年政府寄りと言われるY紙とか自民党の広報紙と揶揄されるSK紙なんかは、意外と明るい記事が多かったりして。ほら、政府に都合の悪い記事は載せないから。