(1)1年前の今日
人間性に年齢は関係ない。その人間が持つ懐の深さは、生きてきた時間の長さではなく、そのなかで培われた価値観や倫理観によるものだと思う。若くても懐が深く底が見えないやつもいれば、歳をくっていても底が透けて見えるやつもいる。
(『検事の本懐』Kindle版位置No. 1505 柚月裕子著、角川文庫)
*最近寝入りばなによく読む作家の小説から。ある程度の経験(年齢)を重ねないと身につかない「培われる価値観や倫理観」もあるのではないか、とは思うが、それは自分が歳をとってきたせいからかもしれない。
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(2)3年前の今日
……「事実確認」と「ファクトチェック」は、正確な事実調査を行う点では共通していますが、目的が全く異なるのです。「事実確認」は調査の過程で不確実な情報は除外し、確実に事実を確認されたことを前提に発表等を行いますが、「ある情報が不正確だった」ことを積極的に公表しようとはしないでしょう。他方、「ファクトチェック」は、調査の結果、「ある情報が不正確だった」ことが判明すれば、それを積極的に公表し、社会と共有しようとします。ここに大きな違いがあります。
このような意味での「ファクトチェック」は、従来の日本語の概念にないものです。あえて訳すなら、「真偽検証」という言葉が最も本質を表していると考えられます。
(『ファクトチェックとは何か』立岩陽一郎、楊井 人文著、岩波ブックレットNo.982、p3)
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(3)4年前の今日
個々の楽器がそれぞれ十分に鳴っているのが全体にとってベストとは限らない
(2017年8月22日付け朝日新聞 折々のことばより)