金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

「文科省の天下り問題」で思い出したこと(2017年1月)

思い出したこと①
昨日のラジオ番組で高橋洋一さんが「高級官僚はそのままでは民間では使えない」と話した根拠の一つが、「官僚は権限を握って割り振るのが仕事だからどうしても上から目線になる。この姿勢が身についちゃっているので民間に普通に就職しても無理」という話をしていた。

私の友人には高級官僚もいて、人間的に素晴らしい人々もいるので必ずしもそうだとも思わないが、この話を聞いて思い出したことがある。

まだ20代のころ、あるプロジェクトを組織横断的に企画することになって、資金をさまざまな企業から集めようということになった。それぞれが「いったいどうしようか?それぞれの先輩頼ろうか・・・やっぱり総務部に当たって砕けろ?」なーんて話し合っていたら友人のL君が一言、

「それは・・・業界団体に出向いて趣旨を話せばそこが窓口になってバタバタと決まるんじゃないかな」

一同「・・・」

L君以外の全員一瞬唖然とするも、L君には何の悪気もないし、しかもL君は普段からとても腰の低い、しかも心の温かい、何でも率先して汗をかく人だったので、その意見を正面から批判する人はいなかった。

ちょっと気まずい雰囲気もあり、L君も「あれ・・・(何かまずいこと言ったかな?)」という表情になった。

「確かにそれも一案ですが、そのアプローチはちょっと難しい・・・というか、たぶん通らないと思います」で終わった。

L君はいわゆるキャリア官僚だったんだ。

思い出したこと②
文科省があっせんを始めた時、だれもが「いつか絶対バレる」と思ったはずなのね。でも誰かがやらなければいけない。

何かあったときに世間からゴウゴウの非難を浴びてくれる人はだれだ?と人捜しをする中で白羽の矢が立ったんじゃないかな。そしてご本人も「愛する我が社のために、いざとなったら私が泥水をすすりましょう」と始めたのではないか?

文科省人事課OBのSさん、かなりいい人じゃないかな?人望もそうとう厚いのでは?
月2日で年収1千万がけしからん?

外形的にはともかく、年収2~3千万の人の紹介・斡旋を年に何人もやって、しかもいつか時限爆弾が爆発するリスクを自ら背負ってやってたんだから、ある程度当然じゃないかなあ。いや、安いくらいかも。ご本人の立場からすれば、たかが1千万でそんな重い仕事を背負っているんだから

人助け(ボランティア)の気持ちというのは、本心ではないだろうか。

以前にも書いたことあるけど、前に自分が勤めていた会社が大スキャンダルにまみれたとき、部長クラスの方が逮捕されて日経新聞の一面を飾ったのだけれど、その人は能力的にも、人格的にも社内でとっても尊敬されていて、でも役員にはなれなかった。そんな人だったから「泥かぶり」にはちょうどよかったのかも。本人も「会社のために」捕まったのね、多分(結局不起訴になったはずです)。逃げちゃった奴たくさんいたから、当時。

そんなこともあってついSさんに同情してしまう。

すんません。