金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

僕が和英翻訳をあきらめた理由②

Aさんのサークルに和英翻訳者の「募集広告」を出した。募集、と言っても今すぐ必要!ということではなく、将来機会があれば僕と一緒に和英(日本語→英語)をしてもよいかな?と思ってくれそうな人を探していますという募集の打診みたいなお知らせ。「英語のネイティブスピーカー」をどうしようかとも思ったが、結局

(1) 小学校から高等学校卒業までの12年のうちの大半(10年以上)を、外国語以外の全科目について、英語で教育を施す学校に通われていた方。
(2) ご両親のうちのどちらかが上の(1)を満たしている方。

とした。私の「お友達」には釈迦に説法なんですが、外国語を話したり書いたりする時に効いてくるのは、「こんなこと暗記して将来訳に立つの?」なーんて思いながら小学校や中学校で暗記させられた社会(特に歴史)、理科、算数、国語の用語や知識、日常会話の中で覚えた「ちょっとした言い回し」だからだ。どこかで聞いたことがある、どこかで口ずさんだことがある。といった小さな経験の積み重ね。これがあるとないとでは
①文章(原文)に相対するときの姿勢(発想)と
②仕上げの時のタッチが違う。

つまり入り口と出口が違う。僕が和英翻訳をあきらめたのは自分にはこれがないからだ。①と②の「間」は努力と勉強と検索で何とかなるのだが、①と②は原体験なので、いくら検索で表現を調べても埋まらない溝だと思っている。

(後記)6年前はこう書きました。(1)かつ(2)という意味で書いたトは思いますが、今葉(2)は不必要だと思っています。例えばイギリスにおけるカズオ・イシグロさんは(1)しか満たしておりません。なぜ(2)を入れたのか?今は忘れてしまいました。現在僕には、お客様から和英翻訳を依頼されると頼りにできる翻訳者が二人(アメリカ人とイギリス人)いらっしゃいます。(2021年5月16日記)

そして、9年前にはこう書いていました(2021年10月25日記)。

tbest.hatenablog.com