金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

「一粒で何度もおいしい」(金子靖翻訳教室の魅力)

昨日は翻訳教室第6回の復習がようやく終わる。この回は自分の訳と試訳に加え、勉強会でいただいたIさんとOさんの訳とも比較した。Iさんは先生が「空前絶後」と評されていた、おそらく金子教室の中でベストの生徒のお一人。Oさんは経営者だが10期の時に先生が「Oさんは後半ぐいぐい伸びて見違えるようになった」とおっしゃっていた生徒さんである。勉強会の時のご発言も実に鋭かった。ほぼ毎日10分かけて、原文、試訳、Oさん訳、Iさん訳を書き写し、先生の講義ノートを比べながら読んだ。1回で進むのは1文かせいぜい2文。全員分を書き写してじ~っと考えるのです。

授業中に金子先生が「文学の翻訳なので訳にさまざまなバリュエーションが出てくるのは当然なのですが、こういう難所になると、素晴らしい人の訳は、なぜかどれも似てくる」とおっしゃっていた意味が全部を書き写してよ~く分かった。

キモの部分は試訳、Iさん訳、Oさん訳が驚くほど似ている。原文が同じだからと言ってしまえば当然と言えば当然かもしれないが、それがなかなかできないんですよ。私の訳なんざ「時たま」似ている程度ですから(恥)。明日から2回目。また別のお二人分の訳のチェックをします。何しろ参加者が10人以上いて皆さん超高レベルなので「はずれ」がない。たった700ワードの原文から2度も3度も4度も勉強できるなんてマジで超ラッキーである。