金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

2種類の産業(実務)翻訳(2012年10月)

ちょっと今3つの仕事をしながら、でもちょっと思いついたので(間違っているかもしれないが)メモ的に書いておく。ここでは英和を前提とする。

恐らく(実務)翻訳には2種類ある。

(1)「英語で読まれることのみを目的(前提または念頭に置いて)として書いた英語」を、「参考までにここにはこう書いてあるんですよ」ということを示すための「翻訳」。パッと思いつくのは契約書だ。特許もこっちかもしれん。

(2)「英語で読まれることを目的として(前提または念頭に置いて)書かれた英語」または「日本語で読まれることを念頭において書かれた英語」を、その英語を日本語の読者のために訳した文章。プレスリリースとかホームページ、IR関係、金融関連のレポート類はこっちのはずだ。
ところが、今の日本では上のふたつがごっちゃになっている。

特に和英の世界では。

(後記)9年前に書いた文章です。(2)はもはや翻訳ではなく、原文をベースとした日本語文章の作成ということになりますが、この点が9年たった今でも、特に和英翻訳では誤解されている模様です(2021年10月25日記)