金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

ChatGPTは、自由英作文の(自己)添削に使える(2023年10月28日現在)

例えば、自分の思うところを英語で書いて「これを中学生で学ぶ範囲の英語で添削してください。その際、どこを、なぜ修正したかを明示してください」というプロンプトにすれば自習用に使えると思う。ChatGPTが間違えるリスクも少ない。 例えば、私は今朝、次…

逆転現象?!日本人が英訳本を出し、英米人が日本語訳を出すとき(2023年10月28日)

これまでの考え方では、ネイティブスピーカーは非ネイティブよりもその言語の表現に得意であるとされ、翻訳は、母語をターゲット言語にする翻訳者がすべき、というのが世界の常識だった(日本は例外)。 しかしChatGPTのおかげで、今から2~3年後には、例…

翻訳ツールとしてのChatGPTとの付き合い方(いくつかの仮説:2023年10月29日現在)

*以下の心得(仮説)は順不同です。随時加筆、削減、修正入れ替えしていきます(更新日時はタイトルに書いておきます) 心得1:くれぐれも、ChatGPTの出力結果を無批判に受け入れないこと。なぜならば、ChatGPTはよく間違えるからだ。ユーザーが、対話を通…

ChatGPTは、口達者な耳年増(2023年10月25日)

(以下引用)(1)AIの目覚ましい発達に目が眩んで忘れている方も多いと思いますが、コンピューターは計算機なのです。計算機ですから、できることは基本的に四則計算だけです。……(AIは)「あたかも意味を理解しているようなふり」をしているのです。……(…

ChatGPT and Contemporary Translation(as of October 23rd, 2023)

Chat-GPT-4 is a cutting-edge AI tool that has become essential for English learners, especially for Japanese individuals aiming to overcome their linguistic barriers. It assists users in understanding English at a native level when transla…

Dialing Up Opportunity: How an Unsolicited Call Turned into Work

Today, I received an unsolicited phone call (which I playfully refer to as "Tamaden", a term I use to mean "an order received by a random('tamatama"in Japanese) phone call") from a foreigner. She mentioned finding my contact details in a …

The Nuances of the Hair Business

Recently, I had a fascinating conversation at my go-to barbershop. "As long as people's hair grows, there will always be a steady demand for barbershops," the barber mused. "You can predict a consistent clientele just by understanding the …

似て非なる商売

先日、行きつけの散髪屋で面白い話をきいた。 「人の髪の毛が伸びる以上、理容室への需要が一定程度以上落ちることがありません。したがって、地域の人口を把握すれば、無理しなければ十分商売ができる。けれど、美容室は違います。美容のニーズは読めないん…

フィリピンでの学校教育は、基本英語

フィリピンでは現在(2012年以降)、小学校3年生までは母国語(タガログ語他各地の方言)で教育が行われ、4年生以降は(の教育制度では)原則としてすべての教科が英語(テキストも)で行われているとのことです。 4年の新学期から突然すべて英語になるため…

某社「翻訳グランプリ」広告のうさん臭さ

詐欺と明らかにわかる翻訳講座って時たま話題になるじゃないですか。あれは詐欺が明白なのでみんな気軽に叩くんですけど、ザっと見た限りでは、この広告で明らかになった待遇の悪さを指摘する声はあっても、その姿勢を非難する投稿は見当たらない。 だけど僕…

「本1冊を3カ月で訳す」実体験

某書籍、本文と訳注で78,000ワードの一次訳が終了しました。ノンフィクションで、訳書としては22冊目になります。 編集担当者の方からは「多く見積もって9万ワード」とお聞きしていたので、「1日1000ワードで90日」を目標にしましたが、終わってみれば7月1…

「一定の英語力さえあれば、Chat-GPTを利用して、誰でも短時間で、ネイティブ並みの英文を作れる」(2023年9月28日)

一定の英語力とはTOEICでだいたい 900点ぐらい 。つまり僕レベルの英語力のある人がChatGPTの力を借りて日本語からネイティブ並みの英語を作成するまでの経緯を時々書いてきましたが、今回はそれを一つにまとめることにしました。 (1)ChatGPTで英文をつく…

『Chat GPT翻訳術』をご恵贈いただきました。(2023年9月22日)

『Chat GPT翻訳術』の著者山田優先生から、著書をお贈りいただきました。 そもそも僕が機械翻訳やらChat GPTやらについて、思いつくまま好き勝手に書き散らしていたものに注目され、同書に僕のコメント(というかフェイスブックへの過去の書き込み)を引用く…

Chat-GPT4とのやり取りから(ご相談)

今朝のCHAT GPTとの「対話」(編集しています) ある本を訳していて、ある1単語の訳語に迷った。そこで・・・ (問)(その語の前の1ページの原文をコピペして)という英文の中で、XXXを「○○〇」と訳すべきか、それとも「▽▽▽」と訳すべきか、それとも他の訳…

Chat-GPT4とのやり取りから

僕の翻訳内容をチェックしてもらうと大抵1回で終わらず、Chat-GPTと何回かやり取りするのだが、彼(または彼女)が提案してきた修正案に疑問をぶつけて対話をかさねていくうちに、結局元(つまり僕の原文)に戻ることがある。 以下は、今朝のChat-GPT4とのや…

勉強するなら良書を繰り返し学べ⑧:クジラの公式:山崎竜成著『入試問題が教えてくれた言語事実47―知られざる英語の「素顔」』

まず、次の英文を読んで、時間の余裕のある方は全部。ない方はせめて最後の一文を自分で訳してみてください。 People seeking money are quick to make use of the latest discovery and remote them to the desperate-for- a-cure market, regardless of ho…

夕暮れ時の公園

最近、夕方に散歩することの多い妻が、近所の公園で見かけるインド人の子どもたち(17時~19時ぐらいにはインド人しかいない)には二つの特徴があることに気がついた、という。 1.全員がサッカーやクリケット、縄跳びや公園の遊具で遊んでいて、誰もスマホ…

Echoes of Childhood in the Dark: Observations in Nishi-Kasai, Tokyo

Recently, my wife, who often takes evening walks, observed two distinct characteristics about the Indian children playing in our local park between 5 and 7 pm: All of them are engaged in activities like soccer, cricket, jump rope, or using…

ChatGPTを使った和文英訳から学んだこと、気づいたこと(2023年8月30日)

僕は普段、ふと思いついたことを推敲も何もせずにフェイスブックに書く。即興で書く文章の練習だと思っています。 その後、記録に残しておこうかなとおもったものをブログに残す。・・・これをここ2~3年続けてきました。 今年の春以降、ブログに書いた記…

Translating with Chat-GPT: Revelations and Reflections

Typically, I jot down spontaneous thoughts on Facebook without revisions. I see it as an exercise in impromptu writing. Later, I sometimes transfer these musings to my blog for posterity – a practice I've maintained for the past 2-3 years.…

オリンピック動員令秘話(フィクションです)(2018年8月29日)

お断り:以下はフィクションである。 S大臣「ソーリ、ソーリ、東京オリンピックのボランティア促進策ですが、素晴らしいアイデアを思いつきました!!」 草履大臣「忙しいから手短に頼むよ。資料はA4で1枚ね。読み仮名もきちんとつけて」 S「は、はい、『ボ…

Chat-GPT in Translation:Taming the Capricious Thoroughbred

While Chat-GPT is a remarkable tool for translators, it's much like riding a finicky thoroughbred. If ridden with care and precision, it delivers an outstanding performance. However, one misstep, and you might find yourself facing unexpect…

Chat-GPTは気難し屋の「名馬」(2023年8月27日)

翻訳におけるChat-GPTは優秀だが気難し屋の「名馬」。 ちゃんと慎重に乗りこなせば素晴らしいパフォーマンスを上げてくれるが、一歩間違えると振り落とされて大けがをする。というのが実感です。

A Fresh Perspective: The New Scale

"Honey, isn't there something odd about this scale?" Having replaced our 15-year-old scale because it broke, my wife, after weighing herself several times, posed this question. "Hmm, not sure. I did notice my body fat percentage was a bit …

新しい体重計

「お父さん、この体重計、何かおかしくない?」 古い物が壊れたので15年ぶりに体重計を買い替え、その後何度か体重を計っていた妻が言った。 「え、そうかな?ちょっと体脂肪率が減ったかな、とは思ったんだけど・・・」 古い方では17~18%だったのが、16.7…

Chat-GPTは並みのネイティブよりもはるかに信頼できる(翻訳ストレッチの教材から)

何と訳しますか?2,3分考えて紙に訳文を書いてみて。(原文)News arrived this morning of heavy rain in the Kyushu area.『難構文のトリセツ』p121で正解とされた訳文は次の通り。(訳文)九州地方が豪雨になるという知らせが今朝届いた。違和感を覚え…

AI and Bias: A New Perspective on Shogi(Japanese chess)

Recently, I encountered a statement from a professional shogi player, suggesting that AI proposes moves humans wouldn't consider. Although I'm not deeply familiar with shogi, I understand that there exist traditional "bad moves" embedded i…

AIとバイアス

最近、AIが人間では思いつかない手を指すというプロ棋士の発言を読んだ。僕は将棋に詳しくはないけれど、将棋界には昔から「悪い手」とされる手筋が常識として根付いているそうだ。そのような手を指すと、師匠や先輩から叱られることもあると聞いた。だけど…

Beyond Code: The Human Nuance in Chat-GPT Interactions

Chat-GPT is flexible, which inherently increases its chance of making errors. When I mention "errors", it's essential to understand that human judgments have ranges and nuances. Depending on where we focus or how we fill these gaps, someth…

Chat-GPTは間違える

Chat-GPTは融通が利くので、それだけ間違える確率も高い。 今、「間違え」と書いたけれども、そもそも人間の判断には「幅」や「隙間」があるのだから、そのうちのどこに焦点をあてるかによって、あるいはその隙間をどう埋めていくかによって、結果として「間…