金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

翻訳全般

いつまでもアマと思うなよ 8年後の逆襲(?) ~金融翻訳者が語る自立するための心がけと 具体的な方法 2~

最近、昔の資料を引っ張ってはブログに再掲していますが、以前の私のツイートに反応してくださった方がいてこれも公開されていたことを思い出しました。直接リンク先をツイートすればよかったのですが、いったんこのブログを通すことにしました(なお、この…

営業に対するマインドセッティング(テーマ3:似非プライドをかなぐり捨てる(2008年時点での感想)

昨日の続きです。2008年7月に行ったJTFセミナー私にと「いつまでもアマと思うなよ」~金融翻訳者が語る自立するための心がけと具体的な方法~のテキストから。あくまでも15年前の私の意見であり、ここで述べられている具体的な手法等が今も通用するとは思い…

営業に対するマインドセッティング(テーマ2:しゃにむに営業後の反省とその後の方針(2006~2008年の事例))

(以下は、2008年7月のJTFセミナーで公開した、ある翻訳者の方の事例です。15年前なので今もそのままの方法が使えるとは思えませんが、皆さんのマインドセッティング上のご参考になるかと思い、ご本人のご了解を得て公開します)。 当の本人からメールが来て…

営業に対するマインドセッティング(テーマ1:飜訳会社への営業を開始する)

以下は、2008年7月のJTFセミナーで公開した、僕がかつての僕の教え子(昔1年間だけ翻訳学校で講師をしていました)と交わした会話とその後の経過(テーマ2をごらんください)である。話したのはこの2年前なので、今からは15年前ということになる。営業の仕…

ZoomとYoutubeのど素人が96分の動画を一人で録画し、Youtubeにアップロードしてわかったこと。

某大学で産業翻訳に関する講義をすることになった(100分×2回)。当初予定では教室で対面授業のはずが、コロナ絡みでZoomの録画をアップロードすることに(学生はアップロードされた番組を視聴する)。 反応のわからない相手に、Zoomを使って講義するなんて…

TOEICって、とどのつまりは英語版「リーディングスキルテスト」

「TOEIC対策講座初心者向けのイントロダクションとして、 レッスンを始める前に「オール・ジャパニーズのTOEIC(過去問の日本語訳テスト・リスニングも日本語で録音したもの)を受講してもらい、採点の上(ほとんどの人が900点以上を取るはず) TOEICを母語…

飜訳会社への応募条件②―TOEIC900点、そんなに大変か?

一昨日の書き込み(このブログに書いたものとほぼ同じ内容)の後、私は次のやや刺激的な投稿をお友だち限りで書いた。 ①「私は英検1級持っていますが、トライアルに全然受からないんです」という話は聞いたことがない(ちなみに僕は英検1級を取って独立した…

飜訳会社への応募条件

以前から思っていた素朴な疑問がある。 翻訳会社はなぜ、応募書類の一つとして公的な英語の試験(英検や国連英検、TOEIC、TOEFL)の合格証やスコアの提出を求めないのだろう?語学関連の仕事でしょ?必要条件じゃないの? 上の疑問を昨日自分のフェイスブッ…

誤変換

「投資バスケット」と書くところ、「とうしばすけっと」で変換しようとしたら、「東芝助っ人」となってしまった。 お後がよろしいようで。

JTF 機械翻訳セミナー参加報告を読んで(2021年4月)

非常に面白かった。勝田さよさんのまとめはいつも大変うまく、セミナーの雰囲気も何となく味わえます(僕はセミナーは拝見していません)。 2点気になった。 ①AIは、僕らの想像力をはるかに超えるスピードで進化してきた。 MTはどうか? 「可能性は無限大…

誰でも学び続けることはできる。

学ぶ方法に正解はないが、学ぶ姿勢にはあるような気がする。 それは、愚直に継続しろということではないかな。 誰でも1日だけならできることを365日続ける-「続けている生活習慣」ランキング - 金融翻訳者の日記

頼まれる側にはコストがかかる(2021年4月)

「これちょっとお願い」「これ調べてもらえます?」「お客様からの質問に答えて!」「またフィードバックが来ました。対応して!!」「最後にここだけ!」と軽く頼んだ側(飜訳会社=多くは給与生活者)は、頼まれた側(翻訳者=多くはフリーランス)に追加…

翻訳テクニックを学ぶ前にやるべきことがある―『新版 産業翻訳パーフェクトガイド』

「専門知識の効率的な学び方」について執筆させていただきました。 「英検一級orTOEIC 900点とアナリスト試験一次レベルが出発点」ということ。確か、5年ほど前にも同じテーマでほぼ同内容のことを書いたなと思い、原稿がほぼできてから編集部に電話して相談…

飛田 茂雄著『翻訳の技法―英文翻訳を志すあなたに』(研究社出版 1997年)

本書は、中嶋彩佳「カズオ・イシグロの小説における翻訳の名残り」『ユリイカ』2017年12月号特集「カズオ・イシグロの世界」所収(P77)の論文の参考文献に載っていた。 図書館で借りて最初の20ページぐらいを読み、買おうと決意した。これから本格的に読み…

手書き写しの効用②

出会った言葉:……白川静(1910~2006)は、古代の甲冑文字や金文をひたすら書き写すことで、文字の成り立ちのみならず、底に隠された古代中国の人々の文化や思想まで解明していったという。写経もそうだが、書き写すという作業は、文字と文章、意味と思想を理…

翻訳者の本棚

「え~鈴木さん、今度『翻訳者の本棚』という企画で一度取材を・・・」 「え?本棚4本しかありませんよ。先日リフォームに伴って1000冊ぐらい減らしたんで」 「そこはご心配なく、先日取材させていただいた方も、『断捨離』直後だと固持されたのですが、そこ…

『英文標準問題精講』を8カ月で終了

『英文標準問題精講』の学習を本日終了した。 勉強開始は昨年5月15日からほぼ10カ月、おそらく1日も欠かさず演習問題を含む全220問に取り組んできた。学習内容は、 ①全文手書きで訳す。辞書は随時使いました。試験ではないので。②同書の[研究][語句][訳文]を…

「同化翻訳」と「異化翻訳」

この2週間で同じ方の翻訳論を紹介した文章を二つ目にしたので引用します。 ①『浮き世の画家』のオノや『日の名残り』のスティーブンス、『わたしを話さないで』のキャシーは皆、「あなた(たち)」という聞き手に語りかけている。しかし、……邦訳では削除され…

自分へのご褒美(2015年3月12日)

以下は実に下らない話ですので時間のない方は無視してください。 今朝の会話。「お母さん、このまま朝飯抜くわ」「たいへんねーご苦労様」「ホント大変だったよ~。とりあえずお昼過ぎれば少しは楽になる」「お父さん、ありがとうね」「ホントにサー、疲れた…

千里の道も一歩から(「金融翻訳者とは?」:2013年の記事原稿)

以下は、2013年の年末に某翻訳者向け雑誌に書いた金融翻訳者を紹介する記事。ただしこれは僕が出版社に提出した原稿で、その後編集されたはずです(残念だが手元に雑誌が残っていない)。8年経っているという点を割り引いてお読みいただければ、まだ参考にな…

本を処分する

フェイスブックの「思い出」機能は、毎日1年前、2年前、・・・・6年前、8年前の「今日」書いたものを振り返ることができる。 以下に紹介するのは8年前の今日、2013年3月10日(日)に書いた内容。その2年前の東日本大震災を受けて我が家も耐震対策を着々と実…

「二十年一昔」(9年前に書いた「新人翻訳者の心得」)

以下はほぼ9年前に、日本翻訳者協会(JAT)が年に1回刊行している『翻訳者の目線』の第1回に寄稿したエッセイ(そのまま)である(JAT会員は全員寄稿する資格がある)。あれから10年。無我夢中でした。 「十年一昔」 今日(2012年8月31日)で、独立してから…

フリーランスになるってことはさ・・・②

宴会の時に存じ上げない顔を見かけたら、同業者同士の懇親会でも名刺を渡して挨拶をする。こういう癖をつけておくと、本番(見知らぬ人たちの集まるパーティーでの営業活動)でも抵抗感が減る。 こういう方針にしているので、昨年初めまでは、同業者の飲み会…

フリーランスになるってことはさ・・・(2019年2月26日)

「今度の懇親会には、知り合いがほとんどいないのでどうしましょう。私は人見知りなんです」 2年ほど前、ある業界関係者が主催するパーティへの出席を尻込みするAさんに僕はこう答えたね。 「『やったー!営業のチャーンス!!!名刺をたくさん用意して全部…

書き換え問題の落とし穴(2021年2月)

She swims well. ⇔ She is a good swimmer. という類いの「書き換え問題」を中高生時代にはさんざんやらされるのだが、この時に、 「一般的に英語では、動詞的、叙述的表現よりも名詞化表現を好む傾向があるため、『彼女は水泳が上手い』に対応する英語とし…

ユーザー(読み手)目線をつい忘れてしまう日英翻訳の実例

以下は一昨日から昨日にかけて、私とあるお客様との間になされたやりとりを若干修正したものである。とりわけ、成果物を受け取ったお客様がその英文を評価できにくい和文英訳の実務翻訳上、極めて重要なポイントを含んでいると思うので読者の皆様にご紹介し…

『英文「超」精読』はかなり良さそう(買って3日目の感想)

一昨日、映画を観た後にたまたま立ち寄った本屋で見つけて、パラパラめくって5分で購入を決意。この手の本を衝動買いしたのは初めてだと思う。相当良いいぞ~思ってアマゾン見たら、元々かなり評判よい本だったことが判明した。 本書の特徴は「この本の概要…

『品質管理』の仕事を受ける

午後に某翻訳会社からメールあり。「某社に納品した翻訳案件がクレームになったので品質管理をしてくれないか?」という依頼。何度かメールをやり取りし、受ける。この会社は最近help!案件が多い。「少量だけと時間がない」「他に翻訳者がみつからない」「…

「問題的中!?」>訳していた本の原著が息子の大学受験問題に出題された話(2015年2月13日)

以下は、今からちょうど6年前の今日、今は社会人1年目の次男が某大学を受験した翌日にFBにお友だち限りで書いた文章である。当時私がまさに訳していた書籍の原書が大学入試の問題に採用されていたのだ。当時は訳している最中だったので書名は明かせなかった…

翻訳教室、翻訳講座、翻訳学校

翻訳教室、翻訳講座、翻訳学校に限っては明らかなことが一つある。それは、あなたがそれを受講しても通っても、あなたの実力、収入、紹介、就職は何も保証されない、ということだ。これは断言できる。 だから、その講座に申し込もうと思っているあなた、「自…