金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「わかんなくても/じかんがあるさ/いそがばまわれ/またあした」:1月31日に出会った言葉

(1)2020年1月31日本を出す<パブリッシュ>ということは、公の場<パブリック>に出てくること、議論をぶつけ合う闘技場<アリーナ>に出て来てくれるということなのだ。(「福島聡『書店と民主主義―言論のアリーナのために』人文書院、2016年」からの引…

「言葉には力があります。だからこそ、穏やかに話す人になりましょう」:2018~2019年の今日に出会った言葉

(1)2019年の今日「なぜローラが批判されて、(総理公邸に招かれる)TOKIOが批判されないのか、よく分からない。どちらも好きにやればいいと思う。政治的であるっていうことを自覚して振る舞うのだったら、両方とも全然あっていいと思いますけど」是枝裕和…

ここまでの「チャーリーの金融英語」(第1回~8回まで)(2022年1月)

日本会議通訳者協会からご依頼を受けてこれまでに書いた連載内容は以下の通りです。通訳者、翻訳者の方を想定していますので、「言葉寄り」です。 【第1回】チャーリーの金融英語「MMT(Modern Monetary Theory)をどう訳す?」(2019年5月15日)https://www…

基本例文の暗記は「あしたのためにその1」と同じ。

28周り目となる『表現のための実践ロイヤル英文法―英作文のための暗記用例文300』(旺文社)は、日本語の一文字目をみただけで僕はほとんどの英語をスラスラ言えてしまう。ということはつまり、この日本語表現に関する限り、僕はネイティブ並み(「この場合…

「思い出はあまりムキになって確かめない方がいい」:2013~2020年に出会った言葉

(1)2020年の今日「(政府の行動に無関心になったら)アウシュビッツは空から降ってくる」マリアン・トゥルスキさん(アウシュビッツ強制収容所の元収容者)(「解放から75年 93歳の元収容者が警笛」2020年1月28日付朝日新聞) *僕は、今の日本の政治状況…

「人脈作りに精を出すのは間抜けのすることだ」:出会った言葉:2~4年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)(178)

(1)2年前の今日「人脈作りに精を出すのは間抜けのすることだ」。ジェームズ・ワット(『室内生活 スローで過剰な読書論』楠木健著、晶文社、pp131)*本日の言葉:『ビジネス・フォー・パンクス』(ジェームズ・ワット著、高鳥芳彦訳、日経BP)の中で、楠…

「力の強い者は弱い者に対して、自分の潔白をすすんで明らかにする道義的責任をつねに負っている」:出会った言葉:3~4年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)(177)

(1)3年前の今日 力の強い者は弱い者に対して、自分の潔白をすすんで明らかにする道義的責任をつねに負っている。 昭和49年(1974年)10月6日(「万事の死」『深代惇郎の天声人語』p94) www.amazon.co.jp (2)4年前の今日「背伸びして自分を良く見せよ…

「鈴おとのかすかにひびく日傘かな 飯田蛇笏」:出会った言葉:2年前~4年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)(176)

(1)2年前の今日「僕は気合いと根性は誰にも負けないと自負して生きてきました。でも、薬物だけはだめでした」元プロ野球選手 清原和博さん(著者に会いたい「『魂問答』根性意味ない病との闘い」2020年1月25日付朝日新聞読書欄) *薬物依存には他の犯罪…

「用もないのに行く、顔を出しておきたくなる場所がコミュニティ」:2018~2020年に出会った言葉

(1)2020年の今日自らの専門や担当する分野において、権力におもねらず自らの考えを述べることを積み重ねて信用を得た人の声は、いざというときに説得力を持って響く。(多事奏論「新型肺炎 『忖度』はウイルスを広げる」 編集委員 吉岡佳子 2020年1月25日…

我が家のトイレが長持ちした理由(珍しく相方に褒められたお話)。

「お父さん、ありがとうね」 先ほどリフォーム業者の方が帰ると、応対していた妻が私の部屋に来ていきなりこう言った。日頃、叱られても改まって褒められることがあまりない僕はうろたえた。一体何があったのだ? 実は我が家は今度トイレを交換することにな…

“What is The Economist’s word of the year for 2021?”(英『エコノミスト』誌の「2021年の言葉」)

昨晩、日本会議通訳者協会様のホームページに記事が掲載されました。 【第8回】チャーリーの金融英語 “What is The Economist’s word of the year for 2021?” www.japan-interpreters.org 英『エコノミスト』誌の「2021年の言葉」のページの内容を分類整理し…

「あの子は魚と絵が好きだからそれでいいんです」:2018~2020年の今日に出会った言葉

(1)2020年の今日本屋という仕事は、ただそこにあるだけで、まわりの社会に影響を与えることができるものなのだ(『私は本屋が好きでした』永江朗著、太郎次郎社エディタス、p16) 本日の言葉:アマゾンに慣れきっている自分を反省した文章。僕の友人には…

「政府が明らかに“一線を越えて”独裁政権になる瞬間を特定することはできない」:2018~2020年の今日に出会った言葉:

(1)2020年の今日① 彼らは、なし崩し的に平和がなくなっていった日々を経験していたから、とりわけ民主主義の力を強く信じた。棚の目立つところには、難しそうな社会科学書がたくさん並んでいた。(『古くて新しい仕事』島田潤一郎著、新潮社、p172)② だ…

求人情報(2)

「この8月で独立20年。たった一人でよく頑張ってきたよな~」。 マルエツで見た求人広告の感想を漏らしたら妻が一言。 「お父さん、あたしがいたじゃない」「あ・・・」「子どもたちだっていたのよ・・・だいたい、そ~ゆ~お父さんの自分中心な物の考え方が…

求人情報

ついさっき、マルエツで玉子とコーヒーを、こっそり(別会計で)菓子パンを一つ買ってショッピングモールのベンチに座って食べていたら目の前に掲示板。そこに1枚 「求人情報」とあった。 生花店:〇〇募集:販売員勤務:週3~4日時給:1200~1500円 とあ…

「大切なところに出す人間は・・・ものすごく疲れたときに笑顔のいい奴」:2018~2020年の今日に出会った言葉

(1)2020年の今日この世をふかく、ゆたかに生きたい。そんな望みをもつ人になりかわって、才覚に恵まれた人が鮮やかな文や鋭いことばを駆使して、ほんとうの現実を開示してみせる。それが文学のはたらきである。(略)文学は現実的なもの、強力な「実」の…

「仕事で頑張れるのは、人の役に立つと信じられるから」:2018~2019年の今日に出会った言葉

(1)3年前 仕事で頑張れるのは、人の役に立つと信じられるからですね。(出雲充さん「仕事力」 2019年1月20日付朝日新聞) (2)4年前 多言語・多文化に向き合う翻訳は、おのずと原文を尊重する方向へ向かう。英文学者の山本史郎氏は「米国でも、自然な訳…

「〇〇であらゆることが証明できる。ただし真実を除いて」:2018年と2019年の今日に出会った言葉

(1)2019年の今日 「統計であらゆることが証明できる。ただし真実を除いて」(「春秋」 2019年1月19日付日本経済新聞)*今日の言葉を読んでいて思いました。「公文書であらゆることが確認できる。ただし真実を除いて」残念だが、今これに堂々と反論できる…

「かあさんって、ぼくがうれしいと、いつもうれしいっていうんだね」:2018~2019年に出会った言葉

(1)2019年の今日 「かあさんって、ぼくがうれしいと、いつもうれしいっていうんだね」 戸田和代。(「折々のことば」 2019年1月18日付朝日新聞)*今日の言葉。出典は『きつねの でんわボックス』(新・ともだちぶんこ)戸田和代著、たかす かずみ絵、金の…

「高くない。俺は『この経験』に金を出しているんだ」:1月17日に出会った言葉

(1)2020年1月17日人は本を読みながら、いつでも、頭の片隅で違うことを思い出している。……本を読むということは、現実逃避ではなく、身の回りのことを改めて考えるということだ。自分をよく知る人のことを考え、忘れていた人のことを思い出すということだ…

親切の押し売り?

今朝、ゴミ袋を持って散歩に出ようと階段を降りていくと階下のTさんの奥さんがちょうど玄関の鍵を閉めているところだった。 「おはようございます」「おはようございます」 彼女は右手に僕よりも大きいゴミ袋を、左手に小さな杖を持っていた。 「お持ちしま…

「誤訳とは……訳語の主観的選択の適否といった次元のものではない」:2018年~2019年の今日に出会った言葉

(1)2019年の今日 「真理とは方向感覚である」鶴見俊輔(哲学者 鷲田清一「梅原猛さんを悼む」 2019年1月16日付朝日新聞文化/文芸)*本日の言葉は、梅原猛さんについて「論争の人ではあったが、相手をこき下ろすことはなかった」と指摘した後で、その論…

親切が「押し売り」になってたかも(2022年1月)

今朝、ゴミ袋を持って散歩に出る時に1階下のKさんの奥さんと会った。彼女は右手に僕よりも大きいゴミ袋を、左手に小さな杖を持っていた。「お持ちしましょうか? 「あぁ、大丈夫ですよ」。「いえいえ、僕持てますから」と手を出しかけたが、もしかしたら親…

「無知とは知らないことではない。それは知ろうとしないことである」:1月15日に出会った言葉

(1)2024年1月15日歴史を知ると、ふだん当然だと思っていることに距離をおけるから、「現在の考えの幅をひろげる」ことができると数学者(森毅)は言う。(鷲田清一「折々のことば」2024年1月13日付朝日新聞より)。 (2)2020年1月15日時間をかけること…

「プラスはマイナスから書き始める」:1月14日に出会った言葉

(1)2024年1月14日後悔の多い人生こそ充実していると思っているんです。甲乙付けがたい局面、難しい状況にたくさん出会っているという証ですから。羽生善治さん(「藤井聡太のいた時代」2024年1月14日付朝日新聞) (2)2020年1月14日「人に説明できなけ…

「指導者には理論もさることながら、人をその気にさせる力が必要だ」:2015年~2019年の今日出会った言葉

(1)2019年の今日 以前、年配者が近くの公園に保育園が建設されると騒がしいから反対している、というテレビ番組を見たことがあって、子どもの声がして楽しいのではなく、うるさいと思うなんてと驚きました。そういう高齢者はきっとまだまだエネルギーも十…

「安易に振りかざされる正義は、回り回って自分の首を絞めてゆく」:2018年~2021年の今日に出会った言葉

(1)2021年の今日根拠など気にしたら、自信は持てない。だって経験がないのだから。しかしその自信はどこかでくじかれる運命にある。だって根拠がないのだから。それでも何かエンジンを身につけることで、人は前へ動き出すことができる……。(「天声人語」2…

ビジネスに役立つ経済金融英語 第7回:Time誌が選んだ「2021年 今年のことば」

Time誌というと、「今年の人」が注目されますが、ビジネス英語教育界で超有名なQ-Leap様ウェブページの連載では、そこから少し外して「今年の言葉」を選びました。 下のページに行くと、これまで6回の記事も見られます。どうぞよろしくお願いします。 q-leap…

「生きてるだけで丸儲け」:「一番いい日」(1月11日)に出会った言葉

(1)2024年1月11日CPIが予測通りに落ちなかったのはなぜか。・・・(中略)・・・筆者の答えは極めてシンプルで「日本人のインフレ予想が上昇したから」だ。(経済教室「『2%』定着へ所得補塡強化を 物価の現状と展望」渡辺努 2022年1月11日付日本経済新聞…

rather の整理(『翻訳力錬成テキストブック』課題1-4から)

課題1-4の[研究]「ratherの意味」は頭の整理に非常に役に立つ。(以下、ほぼほぼ*引用) 総論(1)好ましくない形容詞/副詞(bad, stupidly, uglyなど)と共に使われる(この逆がfarily) 各論(2)比較級やlike、alikeの前は「いくぶん」「やや」の意味…