金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

フリーランスになるってことはさ・・・②

宴会の時に存じ上げない顔を見かけたら、同業者同士の懇親会でも名刺を渡して挨拶をする。こういう癖をつけておくと、本番(見知らぬ人たちの集まるパーティーでの営業活動)でも抵抗感が減る。 こういう方針にしているので、昨年初めまでは、同業者の飲み会…

フリーランスになるってことはさ・・・(2019年2月26日)

「今度の懇親会には、知り合いがほとんどいないのでどうしましょう。私は人見知りなんです」 2年ほど前、ある業界関係者が主催するパーティへの出席を尻込みするAさんに僕はこう答えたね。 「『やったー!営業のチャーンス!!!名刺をたくさん用意して全部…

書き換え問題の落とし穴(2021年2月)

She swims well. ⇔ She is a good swimmer. という類いの「書き換え問題」を中高生時代にはさんざんやらされるのだが、この時に、 「一般的に英語では、動詞的、叙述的表現よりも名詞化表現を好む傾向があるため、『彼女は水泳が上手い』に対応する英語とし…

マスクの効用(?)

コロナ禍に遭って外出するときには常にマスクをするようになって10カ月近く。 「お父さん、マスクをしなきゃいけなくなっていいこともあるよ」「なんですか?」「お化粧しなくてよくなったことよ~。おかげでお肌ツルッツル!」と喜んでいた妻が、昨日の午後…

ユーザー(読み手)目線をつい忘れてしまう日英翻訳の実例

以下は一昨日から昨日にかけて、私とあるお客様との間になされたやりとりを若干修正したものである。とりわけ、成果物を受け取ったお客様がその英文を評価できにくい和文英訳の実務翻訳上、極めて重要なポイントを含んでいると思うので読者の皆様にご紹介し…

『英文「超」精読』はかなり良さそう(買って3日目の感想)

一昨日、映画を観た後にたまたま立ち寄った本屋で見つけて、パラパラめくって5分で購入を決意。この手の本を衝動買いしたのは初めてだと思う。相当良いいぞ~思ってアマゾン見たら、元々かなり評判よい本だったことが判明した。 本書の特徴は「この本の概要…

「誤訳」と「悪訳」

「『誤訳』とは、原文についての(語句・構文・文法・内容などの面における)解釈が間違っていて、それが原因で生まれる訳文。『悪訳』とは、解釈そのものは正しく行われていても、訳文を通して原文の内容の正しい理解に到達することが困難なもの、としてお…

「日経平均、30年6カ月ぶりの高値」とは

「株価 終値でも3万円超え」 「いわゆる「バブル景気」のさなかの1990年8月以来、30年6か月ぶりの高値です」とのことだが、一応手元の資料を見てみると、1990年8月というのは、89年12月に3万8000円超えの史上最高値をつけた後、リバウンドを伴いながら下げ局…

ドラギさんと言えば・・・

13日にイタリアでドラギ首相が誕生した。マリオ・ドラギ氏は、昨年まで欧州中央銀行(ECB)の前議長を務めていた方。そこで、ドラギ氏が在任中の有名な発言について、日本会議通訳者協会に寄稿したものを紹介します。 www.japan-interpreters.org

『品質管理』の仕事を受ける

午後に某翻訳会社からメールあり。「某社に納品した翻訳案件がクレームになったので品質管理をしてくれないか?」という依頼。何度かメールをやり取りし、受ける。この会社は最近help!案件が多い。「少量だけと時間がない」「他に翻訳者がみつからない」「…

「問題的中!?」>訳していた本の原著が息子の大学受験問題に出題された話(2015年2月13日)

以下は、今からちょうど6年前の今日、今は社会人1年目の次男が某大学を受験した翌日にFBにお友だち限りで書いた文章である。当時私がまさに訳していた書籍の原書が大学入試の問題に採用されていたのだ。当時は訳している最中だったので書名は明かせなかった…

病院の待合室で(2021年2月)

昨日の朝、ある総合病院の待合室でのこと。本を読んでいたら、「今日は13日だったかな」という声が聞こえた。 しばらく返事がない。誰か付き添いの人でもいないかと周りを見たがよくわからない。するとまた「おい、今日は13日だったかな」。通路を隔てて右隣…

翻訳ストレッチ:今以上に試行錯誤していた頃(2013年2月)の書き込み

下記は翻訳ストレッチが今以上に試行錯誤だった頃(2013年2月12日)のFBへの書き込みです。当時は「翻訳筋トレ」と言っていましたが、混乱を避けるため下記の文章では「翻訳筋トレ」→「翻訳ストレッチ」に書き換えました。 (以下転載) 「翻訳ストレッチ」…

Reinventing Organization(『ティール組織』の原著)を1回読んだ後の感想メール(『ティール組織』リーディング依頼⑤)

以下は、今からほぼ6年前に同書を1度読んでT社のOさん(最初にこの本を見つけた人)に送った感想文(固有名詞以外はそのままです)。日付は2015年4月26日。このあと2回読んで企画書(Reading)を書いて提出したのが(結局)5月6日だった。 何しろ、厳密に読…

最もたちの悪いイジメ(2021年2月12日)

最もたちの悪いイジメあるいはイジワルは、「悪意、あるいは悪気のないイジメ」。 「悪意のある方がずっとマシ。だって本人に『イジメテいる』という自覚があるから。でもね、言ったりしたりした本人に悪意がないと、ずっとずっと続くの。それをした人に『あ…

病院の待合室で(2021年2月12日)

今朝、ある総合病院の待合室でのこと。 本を読んでいたら、通路を隔てた右隣のおじいさんが、 「今日は13日だったかな」と言った。 しばらく返事がない。誰か付き添いの人でもいないかと周りを見たがよくわからない。するとそのおじいさんがまた 「おい、今…

翻訳教室、翻訳講座、翻訳学校

翻訳教室、翻訳講座、翻訳学校に限っては明らかなことが一つある。それは、あなたがそれを受講しても通っても、あなたの実力、収入、紹介、就職は何も保証されない、ということだ。これは断言できる。 だから、その講座に申し込もうと思っているあなた、「自…

朝型フリーランスの優雅な(?)1日

2012年に(ほぼ10年前)「日本翻訳ジャーナル」に寄稿させていただきました。当時は「翻訳ストレッチ」を「翻訳筋トレ」と言っていました。 読んでいただくとお分かりになるように、細かな内容は今とかなり違っていますが、 ①仕事前のストレッチ的な軽い作業…

誰でも1日だけならできることを365日続ける-「続けている生活習慣」ランキング(2021年2月9日)

翻訳、というか語学って、経験を積み重ねることによって力がついていく能力だと思うので、「誰でも1日だけならできることを365日続ける」を生活信条にこの20年間努力を続けてきました。今の僕の生活の中で「続けているものは何か」を探してみたランキングが…

最初の(でも最後ではない)親子共演

全く売れないお笑い芸人が司会を務める、極めてマイナーなFM放送の番組に「お父さんは翻訳者」として招かれたの図。相方の渡辺しおくり君からのインタビューに私が答えたやり取りが中心です。 翻訳者とはどういう職業か?実務(産業)翻訳者とは?フリーラン…

「翻訳ストレッチ」を続けるコツ

2016年に何回か「翻訳ストレッチ体験セミナー」を開催しました。その後に参加者の皆様に書き送ったものを再掲します(若干修正しました)。なお執筆したのは2016年12月です。翻訳ストレッチは試行錯誤しながら続けているので、今の内容とはズレている部分も…

『ファクトチェック・ニッポン』

立岩陽一郎著『ファクトチェック・ニッポン』(徳間書店) この既存メディアに対する「怒りの書」を多くの人に勧めたいと思います。昨年の新型コロナウイルス勃発から直近の大統領選挙直後までの、日本のメディアで報じられた日米の「ファクト」に関する検証…