金融翻訳者の日記

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

出版翻訳幻想その2 ー 出版翻訳の怖さ 

 出版翻訳についてあと2点(経験者の方はよくご存知の話だと思います)。
 1.今やっている仕事が金になるのは(訳し始めてから、僕の場合早くて)1年後。
1 月に出た『ティール組織』の初版分の印税が支払われたのが3 月。
ここだけ見ると「支払いサイトが2カ月って実務翻訳並みじゃん」って印象持ちます?んなはずないじゃん。これ、2015年の11月からやってます。所要時間は約1000時間でした。
 僕は出版翻訳専業ではないので、それでなくても普通の(=ここでは出版専業の、という意味)翻訳者の方の2倍以上かかっているし、本も分厚かったし、英語も内容も難しかったしね。
訳し始めてからチャリンと金が落ちるまで2年4カ月です。
 2.本は訳し終わるまではかなり「孤独」。
『ティール組織』は訳し始めて数カ月は、「いつ金になるか分からない状態」ですが、そもそも金目当てでやってないのでこっちは大した話ではない。
 訳者としてそれ以上に、精神的にキツいのは「いつ翻訳が終わるかわからない状態」になることです、僕の場合は。
 基本的に編集者の方からは「どうぞご自由に」状態で何ヶ月も放っておかれるので、これは精神的にかなりキツいです。これが長くてもせいぜい1カ月で終わる実務翻訳との大きな違い。この孤独感から逃れるためと、ペースを維持する観点から僕は1カ月に一度編集者に「経過報告」をしています。
  僕は書籍の翻訳中に夜中に不安で目が覚めることが1,2回はあります。『ティール組織』は3~4回はあったと思う。名前が出ることの怖さ。これも実務翻訳との違いかな。
 
・・・それでもやるんだけどね。
 では!